"夫が遺した土地と、隣家の3台の車" 第13話
3台分の約束
さんは、自宅へ戻って卓カレンダーを持ってきた。
10のページをき、31を指した。
「このまでで、よろしいですね」
私はうなずいた。
「はい」
さんはボールペンを取った。
「3台すべて、川さんのから移する。物置にはをつけない。カーポートの計画は止する。これで違いありませんか」
私は驚いた。
「そこまでいてくださるんですか」
さんは静かに答えた。
「今度は曖昧にしたくないので」
私は持参したノートをいた。
「それなら、私もいておきます」
付。
の所。
移するの台数。
返還予定。
物置の撤や事には同していないこと。
話しいの内容を、簡単な確認にまとめた。
さんは丁寧に読んだ。
「はい。これで結構です」
私はうなずいた。
「ありがとうございます」
さんは続けた。
「妻とも確認して、署名します」
真由美さんは困ったような顔をしていた。
それでも、確認を読み終えると、静かにうなずいた。
「……分かりました」
私は自分の署名も入れた。
その、さんが申し訳なさそうに尋ねた。
「1つだけ、お願いしてもよろしいですか」
私はし構えた。
「何でしょう」
「の移に伴って、砂利をどうするか相談したいんです」
私は側のを見た。
10ほど、が敷いた砂利だ。
それ以はのままだった。
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さんは続けた。
「いを止めていたので、面も傷んでいるかもしれません。撤する砂利の範囲や、について確認させてください」
私はし考えた。
「まずをしてから、緒に状態を見ませんか」
さんはうなずいた。
「そうしましょう」
私は続けた。
「砂利については、畑を作る所だけ取り除ければとっています」
さんは答えた。
「それなら、移が終わったで相談させてください」
私はした。
を返してもらう。
それだけでは終わらない。
く使われてきた所には、片づけるべきこともある。
ただ、それも話しって決められる。
帰り際、私はさんへ尋ねた。
「カーポートの業者さんには、どうしましょう」
さんは妻を見た。
真由美さんはさく言った。
「私から連絡します」
そしてスマートフォンを取りした。
しれた所で、業者へ話をかけていた。
私はその様子を見ていた。
やがて真由美さんが戻ってきた。
「見積もりの話は取りげました」
私はをげた。
「ありがとうございます」
真由美さんは複雑そうな顔をしていた。
以のように笑ってはいなかった。
それでも、もう「ずっと使わせてもらう」とは言わなかった。
私は確認の控えを鞄にしまった。
玄関をる、さんが声をかけた。
「川さん」
私は振り返った。
「はい」
さんは側の物置を見た。
「正夫さんが作ってくれたスロープ、覚えていますか」
私はうなずいた。
「まだ物置にありますよ」
さんは驚いた。
「そうなんですか」
「板の裏に、段差9cmっていてありました」
さんは目を細めた。
「正夫さんらしいですね」
私はし笑った。
「ええ」
さんはくをげた。
「母がきている、本当に助けていただきました」
私はをげ返した。
「こちらこそ、いお付きいですから」
そこまで言って、私はし考えた。
そして続けた。
「だからこそ、これからはお互いに、きちんと話しましょう」
さんはうなずいた。
「そうですね」
私はへ戻った。
そのの夕方、娘の由紀へ話した。
「由紀、話がまとまったよ」
娘はるい声で答えた。
「本当? よかったね」
私はうなずいた。
「1031までに、3台ともしてくれるって」
由紀はし黙った、言った。
「お父さん、ぶだろうね」
私は仏壇の方を見た。
「そうだといいね」