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"捨てられた整備士、沈黙の咆哮" 第27話

「いくらでも払うというではありませんよ。あなたが決めた額に、んで従うというです。……私は、あのの晩の始末をがりに済ませてしまった男です。このに、自分から値段をつける資格など、最初から持ちわせておりませんから」

笹本はしの考え込んだ、ペンをらせ、控えめな数字をき込んだ。

その額面を見た榊原は、微かに苦笑いを浮かべた。

「……すぎますよ、笹本さん」

「うちの、相です」

「では、代はそれで結構です。……その代わりと言ってはなんですが、私のが儘をつ、聞いていただけますか」

榊原は財布ではなく、ジャケットの内ポケットから携帯話を取りした。

「し、昔からの仲に話をかけさせていただいてもよろしいですかね?」

「話……ですか?」

「ええ。昔の設計仲に、『沢町に、どんな難病のでも最まで絶対に見捨てない、面い本物の備士がいる』と、教えてやりたいだけですよ」

榊原はそう言うと、のの砂利敷きへと歩みていった。

夜のに包まれた敷ので、老が誰かと親しげに、そしてを込めて語りう声が、に乗って途切れ途切れに聞こえてきた。

このの笹本には、その本の話が、このに体だった町に、どれほど途方もない奇跡の連鎖を呼び込むことになるのか、像すらついていなかった。

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最初の「難民」が運ばれてきたのは、その週の曜のことだった。

隣県ナンバーの積載に乗せられてやってきたのは、距万キロを超えた古いクラシックセダンだった。

りてきた初老のオーナーは、すがるような目で笹本にこう言ったという。

『正規ディーラーで回オーバーホールしても、首都に乗ると原因のオーバーヒートを起こすと言われたんです。……榊原さんから、ここなら見てくれると伺いました』

その数には、台に増えた。

そして――本来であれば、の板をろし、鍵を返却するはずだった「廃業予定」の。

朝、笹本がのシャッターを押しげた瞬、彼の目のに広がっていたのは、砂利敷きを埋め尽くすように然と並べられた、台のだった。

最のハイブリッドカーから、昭の旧、輸入のバンまで、式もメーカーもバラバラだった。

だが、そのすべてのには、たったつの共通点があった。

部品をいくら品に換えても症状が治まらず、最鋭のコンピューター診断に繋いでも何のエラーコードも吐きさず、名ファクトリーの備士たちから最に『原因』という酷な烙印を押されて匙を投げられた、械の難民たちだった。

榊原の話だけが理由ではなかった。

あの端田さんが、域の老会の寄りいのたびに、『笹本さんとこの若い娘さんは、誰も見ないフレームの骨折を見抜いて命を救ってくれた』と触れ回っていたのだ。

さらには、あの川が支の朝礼で『台にもかける馬鹿な女備士がいる』と笑い話のネタにした噂が、皮肉にも『あの原オートサービスが直せなかったを、本当にかして見せた職がいる』という伝説となって、現の職たちのからへと巡り巡っていたのだ。

そのつの事実を笹本がったのは、それから随分とが流れてからのことだった。

廃業のの朝。

笹本は事務所の黒話を取りげ、械の解体業者へと話をかけた。

『……すまねえが、の解体の話は、全部なかったことにしてくれ』

受話器の向こうの担当者は、あまりの急な翻に最初は呆気にとられていたようだったが、笹本の声の奥にある尋常ならざる気迫をじ取ったのか、最には『……分かりました、頑固オヤジさん。また何かあったら呼んでください』と笑って承してくれた。

受話器を置いた笹本は、壁に掛けられていたあのカレンダーのへと歩み寄った。

赤いマジックできな丸がつけられていたそのを、ビリリと音をてて壁から引き剥がすと、両でクシャクシャに丸めて、元のゴミ箱へと放り込んだ。

その運命のが過ぎっても、笹本自備のシャッターがりることはなかった。

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