"七通の退職届と八十件の着信" 第6話
「あんなパソコン部の数字いじりに付きう暇があったら、現で個でもく削れ。現をらん連に迎する必はねえ」
と釘を刺した。結果として、その打ちわせの席に座るのは、いつも父とベトナムのだけになった。
の凍てつくの朝、でな良事故が発した。
川が担当する号で、朝番に削りした精度部品のロットすべてにおいて、基準穴のピッチが公差からきくれてしまっていたのだ。
幸いにも荷の社内検査で見つかったため、取引先への流は免れたが、川は顔を真っ赤にして激昂した。
「これは仕入れたアルミ材料の処理が甘かったんだ! 材料の良だ!」
川はそう喚き散らして自らの非を認めなかった。父は何も言わずに取引先へをげにき、代替材を配して戻ってくると、川を社に呼んだ。
密のでどのようなやり取りがあったのかは分からない。ただ、壁越しに川の尖った声だけが漏れ聞こえてきた。
「号の嫌は、毎朝俺が械の音と振を見て決めてるんです! 俺の削りに、の誰にもしはさせません!」
としての誇りを傷つけられた川は、でもその失敗を自分のだけで取り返そうとしたのだろう。
そして、そのがけた頃から、父の朝のが目に見えて変わった。
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私が毎朝半に事務所へ勤すると、父はすでに社のデスクに向かっていた。い蛍灯の、定規をきっちりと当てて、枚の方に細いボールペンでびっしりと細かい数字をき込んでいるのだ。
その用の番には、父の几帳面な跡で『本の段取り』と記されていた。
「お父さん、毎朝そんな朝くから何いてるの?」
ある朝、議にって尋ねると、父は定規を置き、破顔して答えた。
「ん? 川の朝飯だよ」
父はそれだけ言うと、きげたばかりのを事そうにに取り、号のへと歩いていった。
それから、が休みのを除いて、父は毎朝欠かさずそのをき続けた。
議なことに、あのの事故以来、号から寸法れの良品がることは度となくなった。
「ほら見ろ。やっぱり最は職のの勘なんだよ。械のそのの嫌なんざ、毎朝油まみれで触ってるにしか分からんのさ」
川は若い職たちに向かってそう自げに語り、胸ポケットの黒い帳をポンポンと叩いてみせるのが課となった。
そして――父がくなるの、初旬のことだった。
私が元のから戻ってくると、社のいドアがき、川がにてくるところにくわした。父は朝から取引先へ張にており、社には誰もいなかったはずだ。
森精では、社のに社にち入ることは固く禁じられていた。
「社に、稟議に判子をもらうための類を机に置いてきただけだ」
私が何も尋ねていないのに、川は先回りするようにで言い捨て、逃げるようにへ戻っていった。その横顔は、これまで見たことがないほど青ざめ、張っていた。
社の机のに何が置かれていたのか、そのの私は確かめもしなかった。
の終わりに、て続けにつのきなびがを包んだ。
つは、アンが国資格である「械加技能検定級」に見事格したことだった。
属加の技術を国が公正に評価する最難関の試験であり、級を受験するには、級格からさらに実務経験を何も積みねなければならない。アンはに級を取得して以来、毎晩のかりを残し、黙々と実技試験の課題を削り続けていた。練習用の価な属材料は、父が「これは会社の未来のための勉代だ」と言って惜しみなく買い与えていた。
最の実技試験の直のヶは、父も毎晩のようにに残り、アンが削りす元を、油の匂いのでじっと見守っていた。決して余計なしはせず、削り終えるとでたい缶コーヒーを分けい、ぽつりぽつりと加の触を語りっていた。