"百日祝いを門前払いされた娘に、24年後届いた祖母の手紙" 第17話
先は鞄から分い類の束を取りし、叔父のに置いた。
「まず、現形でわれていた『特別支援』の件についてです」
先は鋭い線で父を見据えた。
「先週、節子様をはじめとする親族名から、佐久修司氏の座に振り込まれた計百万円。これは着のわずか、全額が佐久悠氏の座へと送され、そののうちに投資詐欺に伴う債権回収会社への返済に充当されていました」
「……っ!」
悠が顔を覆って縮こまった。
「さらに、過にわたり、修司氏は『灯さんの私学の学費』『の特別援助』『学の教育借入』等の名目で、親族から計百万円を詐取していました。美紀さんの記録および学側の納付記録を精査しましたが、美紀さん母娘が受け取った銭は、円たりともしません」
「百万……!?」
叔父が座卓を拳で激しく叩いた。
「修司! お、俺たちが灯ちゃんのためにと面したを、全部自分の懐に入れていたのか!?」
「叔父さん、聞いてくれ! 俺だっての維持費や悠の教育費でが必で……!」
「ふざけるな!」
別の叔父も鳴り声をげた。
「の善をい物にして、実の娘を難病に仕てげてまでを巻きげるなんて……! のやることか!」
親戚からの激しい非難の嵐。 かつて世体と体裁の頂点に君臨していた父の顔から、完全に血の気が失せていた。
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「親父のせいです!」
突然、悠が叫んだ。
両でを抱え、畳に擦り付けるようにして叫び声をげたのだ。
「俺は反対したんだ! だけど親父が、『灯の名を使えば親戚の寄りどもは簡単にをす』『過にも何度も成功してるから丈夫だ』って言ったんだよ! の文章だって、親父に言われて俺がいただけだ! 俺は悪くない!」
「悠、お……! 誰の借を返すためにやったとってるんだ!」
父が息子の胸ぐらを掴もうとびかかり、は畳ので醜くもみい始めた。
というメッキが剥がれ落ちた瞬、彼らの誇っていた「美しい族の絆」は、音をてて崩壊した。 互いに罪を擦り付けい、罵りう父と息子の姿を、親戚たちは底からの軽蔑に満ちた目で見つめていた。
「……もう、おやめなさい」
く、けれどい声が響いた。 母だった。
母は乱闘を演じるを瞥もせず、座卓の奥で震えている祖母のへと歩み寄った。
「お義母さん」
祖母は着物の袖を固く握りしめ、顔をげることができないでいた。
「のあの、あなたがの隙から私に放った言葉を、私はたりとも忘れたことはありません。『男の子の跡取りならともかく、たかが女児の百祝いくらいで騒ぐな』。そうおっしゃいましたね」
祖母の肩が、さくねた。
「あなたが切に守りたかった跡取り息子と孫は、今、親戚ので互いにを投げっています。
これが、あなたが私と灯を捨ててまで守りたかった、佐久のの誇りですか?」
祖母の目から、ポロポロと涙がこぼれ落ちた。 けれど、それは悔の涙ではない。 親戚全員ので恥をかかされ、築きげてきた世体が完全に瓦解したことへの、絶望の涙だった。
「……悪かったわよ」
祖母は掠れた声で、絞りすように言った。
「私が……悪かったわよ。でもね、修司も悠も、佐久の血を引いているのよ。親戚ので、内々で済ませてちょうだい……警察汰にだけは、しないで……」
最まで、世体。 のをどれほど踏みにじっても、自分たちの体面さえ守れればいい。
私は祖母のに歩み寄り、たく言い放った。
「それは、被害に遭われた親戚の方々が決めることです。私たちが決めることではありません」
料亭のでわれた清算は、極めて事務かつ徹にめられた。
先のち会いのもと、そので以の事項が決定された。
、親族名から詐取された百万円については、修司および悠が連帯して、今末までに全額を括返還すること。返還が滞った、直ちに詐欺罪での刑事告訴続きに移すること。 、未払いの支援百万円の募集は即止とし、親族の連絡網を通じて事実関係の訂正通を配布すること。