"百日祝いを門前払いされた娘に、24年後届いた祖母の手紙" 第8話
悔しさとりで、私の爪がのひらにくい込んだ。 痛みが、考をたく研ぎ澄ましていく。
父は、母の誇りと痛みを盾にして、、親戚からを吸いげ続けていたのだ。 そして今度は、私の命を偽りの病気で売り払い、さらなるをに入れようとしている。
「お母さん。もうつ、どうしても確かめなきゃいけないことがある」
私は祖母から送られてきた、あの成写真を指差した。
「この写真の背景……父の実の客で、親戚たちが集まっているこの景。これ、いつ撮られたものか分かる?」
母は写真をじっと見つめ、首を横に振った。
「私には分からない。私の百祝いのは誰も来なかったんだから、この景がいつのものかなんて……」
「私、見当がついてる」
私は祖母ののサイドボードに並んでいた、あの分いアルバムをいしていた。 背表に文字で刻まれていた、弟の名。
佐久悠。 〇〇まれ。 私のたったヶにまれた、あのの『本当の跡取り』。
「悠の百祝いだわ」
私の言葉に、母がハッと顔をげた。
「私の百祝いをすっぽかしたあの、あのたちはすでに奈穂の妊娠を祝っていた。そしてそのヶにまれた悠の百祝いには、親戚が集まって、盛なおい初めをやったはずよ。あの男は……悠の祝いの席の写真に、私とお母さんを切り貼りしたんだ」
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吐き気がするほどの冒涜だった。 拒絶された娘を、自分たちを捨てて祝福された弟の祝宴に無理やり貼り付け、偽りの族写真に仕てげる。 これほど残酷な嘘が、この世にあるだろうか。
「確かめにく」
私はちがった。
「証拠を掴むの。あのにって、悠のアルバムを見る」
翌の夕方、私は再び世田の佐久邸のにっていた。
祖母には事に話を入れてあった。 『先は取り乱してすみませんでした。おばあちゃんにお見せしたい私のさい頃の写真があるので、もう度伺ってもいいですか?』 祖母は疑う様子もなく、弾んだ声で『待っているわね』と答えていた。
父や悠が仕事から帰ってくるの、わずかな。 これが、決定な証拠をに入れる唯のチャンスだった。
客に通されると、祖母は嬉しそうに作りの葛切りをしてきた。 私は適当に相槌を打ちながら、持参した自分の子どもの頃の写真を数枚見せた。 祖母が懐かしそうに目を細め、昔話にになり始めた隙を見計らって、私はをいた。
「おばあちゃん、お洗いをお借りしてもいいですか?」
「ええ、廊の突き当たりをよ」
私は会釈をしてちがり、客をた。 廊を静かにみ、トイレを通り過ぎて、祖母の寝の隣にある父の斎兼応接へと忍び込んだ。
部の隅に置かれたきなガラス扉のキャビネット。 昨、サイドボードの段に見えたあの分い革張りのアルバムが、代順にぎっしりと並んでいる。
臓が鐘を打っていた。 背で祖母が客からてこないか、を澄ませながら、私は『悠 幼期』とかれた番最初のアルバムを引き抜いた。
ずっしりとい。 に膝をつき、祈るようないでページをめくった。
産院での写真。 お宮参り。 そして――。
指が、止まった。
『〇〇 悠 おい初め』
そのきのキャプションのに貼られた判のカラー写真。
息が止まりそうになった。
朱塗りの座卓。 に並べられた豪華な祝い膳。 奥に飾られた、箔の入った画の屏。 そして、そのろに並ぶたち。
ネイビーのスーツを着て得げに笑う父。 若の着物を着て目を細める祖母。 そして親戚たち。
着ているも、座っている位置も、顔の角度も。 祖母が私に送ってきた『あの写真』と、完全に致していた。
唯違うのは――座卓の真ん、祝い膳のに座っている物だった。
そこには母と私ではなく、仕ての良いピンクのスーツを着た若い女――佐久奈穂と、彼女の腕ので無に指をしゃぶる男の赤ん坊、悠の姿があった。
「……やっぱり」
喉の奥から、乾いた笑いが漏れそうになった。
父は、この写真を使ったのだ。 奈穂と悠の姿を消しり、そこに母が渡した私のおい初めの写真を、精巧に成して嵌め込んだのだ。