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"ローンを完済した私に、義母は「家なら売った」と言った" 第14話

「だから、見逃せとおっしゃるの?」

「そういうではありません! ただ……あの千百万は、私にとっては将来の活のための資として受け取ったものです。奥様と彦さんのの財産分与の問題に、どうして私の名義のが巻き込まれなければならないんですか」

勝な論理だった。 けれど、これが現実にきる代半の独女性の、切実な本音なのだろう。 このもまた、あの男の甘い言葉に乗り、の庭の犠牲のに自分のを築こうとした共犯者であり、同に利用された駒なのだ。

私は背筋を伸ばし、織さんの目をまっすぐに見据えた。

「織さん。勘違いしないでください」

私の声は、ながら驚くほど静だった。

「私はあなたとな仕をするつもりはありません。髪を引っ張りって喚く気も、あなたの職に鳴り込む気もありません。ただ、法に黒をつけるだけです」

私は指を本てた。

「つ目。夫が婚姻に無断で流させた千百万は、な夫婦共財産の当移転です。あなたが善無過失であろうと、原資ががの売却益である以、財産分与の算定からすことは絶対に能です。あなたがマンションを放したくないなら、あなたが彦さんにその分を請求するか、あるいはご自で調達して返還するしかない」

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織さんの喉が、ごくりと鳴った。

「そしてつ目。あなたが『破綻していた』と信じていたとしても、法な婚姻関係が継続している相と貞関係を結び、同居のための産を購入した事実は消えません。貞為に基づく慰謝料請求は、財産分与とは完全に別個で、あなた個に対して請求します」

「……っ」

「夫はあなたに、こうも言っていたはずです。『母親の老資として百万円を渡したから配ない』と」

織さんは、ハッとしたように目を見張った。

「……はい。お母様の施設代として、まとまった現を確保してあるから、絶対に私たちの活に迷惑はかけないと言っていました」

私はたく微笑んだ。

「その百万円、実際には百万円しか渡されていませんでしたよ。残りの百万円は、夫が自分の懐に隠し持っています」

織さんのが、半きになった。 信じていた男の輪郭が、元から音をてて崩壊していくのを、彼女の表がありありと物語っていた。

「あの男は、最初から誰も守る気なんてなかったのよ。私から万円を巻きげ、母親を百万で黙らせ、あなたには千百万をチラつかせてしい寝を確保させた。番狡賢く、番汚いのは、あの男です」

私はちがった。 伝票を自分の元に引き寄せる。

「ご自分のを守りたいなら、あの男の言いなりになるのはおやめなさい。

これからは私の代理と、あなたの代理で話しましょう」

背に、蒼な顔でち尽くす織さんを残し、私はホテルのラウンジをにした。

自宅へ戻ると、リビングの苦しい空気はさらに濃度を増していた。

夫の彦が提してきた『財産目録(案)』なる類が、テーブルのに無造作に置かれていた。 そこには、あの男が自分の都だけで捏造した、デタラメな数字が並んでいた。

・自宅売却代:28,000,000円 ・宅ローン括完済:▲3,120,000円 ・仲介数料・登記費用等:▲1,100,000円 ・母・静の老扶養資:▲8,000,000円 ・過3の維持費・活補填:▲12,000,000円 ・残余財産:3,780,000円 ・妻への分与提示額:1,000,000円(解決名目)

笑わせる。 活補填に千百万円? 母の扶養資に百万円? 使途をすべて「庭のために消えた」に偽装し、元にはほとんど残っていないと主張する古典なだ。

私は奥のの襖をガラリとけた。 義母が、万のに座り込んでテレビをぼんやりと眺めていた。 織さんのマンションで払いをらって以来、すっかり気を失い、さく縮こまっている。

「お義母さん。ちょっといいですか」

「……何よ。また私をいじめる気?」

掠れた声で警戒する義母のに、私は夫の作った目録を叩きつけた。

「これを見てください。彦さんは、お義母さんに百万円を渡したから、もう元にがないと主張しています」

義母は老鏡をかけ、類の『母・静の老扶養資:百万円』という文字を指でなぞった。

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