"月3万で罵られる妻と、私の会社から50万貰う秘書" 第15話
妻の座から引き落とされていたは、夫婦共財産からの支、あるいは夫への替として清算の対象になります。さんが夫の負債を肩代わりしてあのに残る義務など、どこにもありません」
私たちは即座に、裁判所を通じて任売却の続きを取った。
築、駅徒歩分の世代宅。 買いは比較すぐに見つかったが、競売歩の売却価格では、残債を消すのが精杯だった。 諸経費と抵当権抹消費用を差し引いた、元に残った微々たる売却益から、過の私の役員報酬相当額の優先弁済分として百万円を回収した。
夫には、円も残らなかった。 残ったのは、都企画からの数千万円に及ぶ損害賠償請求と、消費者融からの督促だけだった。
ち退きの。 私が荷物を運びすためにを訪れると、義母の富美子が玄関のがり框にへたり込んでいた。
かつてあれほど威張り散らし、私を見していたの姿はそこになかった。 髪は目に見えて増え、膝を押さえる指先は枯れ枝のように痩せ細っている。
「……真由さん、お願いよ」 義母は私のスニーカーにを伸ばし、掠れた声で縋り付いてきた。
「修を助けてやってちょうだい。あの子、毎部でを抱えて泣いているのよ。あんな派な専務だったのに、今はにもられないの。
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私たち親子を、見捨てないで……!」
私はを止め、たく見ろした。
「お義母さん。私の会社宛ての督促状を隠していた、どんな気持ちでしたか?」
義母の肩が、さくねた。
「私を『息子に寄する無能な嫁』となじりながら、私の座から引き落とされたおでこののローンを払い、温かいご飯をべていた……度でも私をだといましたか?」
「そ、それは……あの子が、あなたには分からない難しい仕事をしてるって言うから……」
「父の仏壇をゴミにそうとしたことも、私は忘れません」
私は静かに歩がり、義母のを払った。
「修さんは自業自得です。そして、息子を増させ、の娘を踏みつけにしてきたお義母さんも同じです。……これからは、ご自分のおできていってください」
義母はそのに倒れ伏し、子供のように声をげて泣き始めた。 けれど、その涙に私の胸が痛むことは、瞬たりともなかった。
佐伯莉奈との決着も、弁護士同伴の会議でついた。
都企画を懲戒解雇された彼女は、業界内での信用を完全に失っていた。 イベント制作や広告代理の狭い世界で、「司と組んで架空請求をやった秘」の噂は瞬で広まり、再就職のは閉ざされていた。
会議に現れた莉奈は、すっぴんにい顔で、ユニクロのなニットを着ていた。
かつて料亭で胸元にらせていたダイヤモンドのネックレスは、とっくに質に入れたという。
「……さん、本当に申し訳ありませんでした」 莉奈はテーブルに額を擦り付けるようにしてをげた。
「私、修さんに利用されていたんです。でも……私も調子に乗っていました。毎万円もらえるのが嬉しくて、あのが真由さんを馬鹿にするのを見て、自分の方がなんだって……本当に、浅はかでした」
私は黙って、柳先が作成した公正証の文面を差しした。
貞為に対する慰謝料、およびエム・クリエイティブの資正流への関与に対する賠償として、総額百万円。 括での支払いは能なため、々万円の回分割払い。
「……毎、万円」 莉奈は震えるでペンを握り、唇を噛んだ。
「支払いが度でも滞れば、直ちに与や座の差押えに入ります」 柳先が厳に告げる。
毎万円を誇らしげに受け取り、私を「万の女」と嘲笑っていた女が。 これからは毎、自分が汗垂らして稼いだアルバイト代から、万円を私に差しし続けるのだ。
「払います……必ず、払いますから……」
莉奈の涙が、契約の端に落ちて滲んだ。 私はその面を静かに引き寄せ、自分のバッグに収めた。
復讐の達成などという華々しいものはない。
ただ、犯した罪のさに応じた現実の支払いが、彼女のこれからのヶをたく縛り続けるだけだ。