"月3万で罵られる妻と、私の会社から50万貰う秘書" 第12話
最階の特別会議には、苦しい空気が澱んでいた。
テーブルの奥には、コンプライアンス委員を務める専務、常勤監査役、そして企業法務の弁護士が、険しい表で座っていた。
ドア側の席には、夫の修。 級な濃紺のスーツにを包み、腕を組んで目を閉じている。 その隣には、黒いシンプルなスーツを着て、さく縮こまっている佐伯莉奈の姿があった。
私が柳弁護士と共に入すると、夫は目をけ、でさく息を吐いた。 その瞳には、「観してをげに来たか」という侮蔑のが骨に浮かんでいた。
「全員揃いましたね」 監査役が々しくをいた。
「本は、株式会社エム・クリエイティブとの朗な注取引について、事実関係の確認をいます。……まず、専務」
夫は慇懃無礼にをげ、滑らかな調で語り始めた。
「監査役、社内をお騒がせして変申し訳ありません。……妻の真由は、数にちげた個会社をて直したいで、私のを悪用し、営業部の部であった佐伯に圧力をかけて発注を偽装していたようです。夫として、妻の法為を監督できなかった責任を痛しております」
夫は苦渋に満ちた表を作り、く項垂れてみせた。 完璧な被害者の演技だった。
「佐伯くんも、妻から『専務の妻の言うことが聞けないのか』と脅され、逆らえなかったと証言しています。
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……真由、もう嘘は通用しない。会社に全額を弁済し、法な処罰を受けるんだ」
夫の線が、私を突き刺す。
監査役が、私に向き直った。
「代表取締役の真由さん。佐伯さんから提された経緯説、およびあなたが署名した委任状を確認しました。この内容について、弁はありますか」
会議の線が、私に集まった。 莉奈は顔を伏せ、ハンカチで目元を押さえている。
私はく息を吸い込み、背筋を真っ直ぐに伸ばした。
「弁ではありません。事実をお話しします」
私は元の袋から、分いファイルを冊取りし、監査役と役員たちのに冊ずつ配った。
「まず、私がにエム・クリエイティブを設したのは事実です。そして、こちらのファイルにある通り、設当初の件の業務――田巧版印刷様への正規発注と納品については、私が全責任を持って遂しました」
監査役が眉をひそめ、ページをめくる。
「しかし、の以、私は夫である修から『会社は休眠させた』と虚偽の報告を受け、実印、印、通帳のすべてを奪われました」
「おい、真由!」 夫が遮るように声を荒らげた。
「見苦しい言い訳をするな! 休眠の続きなんぞ取っていないのは、登記簿を見れば目瞭然だろうが! おが代表としてをかしていた証拠に、佐伯に毎万の与を振り込んでいたじゃないか!」
「ええ、その与細についても調べました」
私はファイルの程、赤い付箋を貼ったページを指し示した。
「佐伯莉奈さん。あなた、毎エム・クリエイティブから振り込まれた万円のうち、万円を、毎に『ナカムラ シンジ』名義の楽座へ振り込んでいましたね?」
莉奈の肩が、ビクッとねがった。 ハンカチを持つが、目に見えて震え始める。
「な……何を……」
「ナカムラ シンジは、修さんのくなったお父様の名です。座の設IPアドレスとログイン履歴を弁護士照会で追跡したところ、すべて修さんの私用スマートフォンからアクセスされていました」
会議の空気が、変した。 コンプライアンス委員の専務が、を乗りす。
「……専務、これはどういうことだ?」
「し、りません! 妻が何を言っているのかさっぱり……」
「さらに」 私は夫の揺を許さず、畳み掛けた。
「都企画からエム・クリエイティブへ発注されたとされる、全件のイベントパンフレットの印刷費。その納品と仕様を精査しました。……仕様にかれたの銘柄と印刷部数、そして請求額のバランスが完全に破綻しています。この額で万部のオフセット印刷を受ける印刷所は、本どこを探してもしません」
私は田巧版印刷の社の陳述を、机のに滑らせた。