"月3万で罵られる妻と、私の会社から50万貰う秘書" 第6話
「……それでも、それがないと真由さんだって刑務所きですよ! 代表取締役はあなたなんだから!」
叫ぶような声を残し、莉奈は逃げるようにタクシーへと乗り込んだ。 赤いテールランプが夜のに消えていくのを、私はただじっと見つめていた。
のにある封筒は、嫌になるほどかった。
翌朝。 私はさいたま内の雑居ビルにある、柳法律事務所の相談にいた。
机のに、莉奈から渡された類の束と、昨法務局で取った履歴事項全部証、そして私の預通帳の細コピーを広げる。
初老の女性弁護士・柳先は、老鏡の奥の鋭い目を類にらせていた。 をめくる規則な音だけが、静かな部に響く。
「……典型な、トンネル会社を使った資還流ですね」
柳先が顔をげ、静かに告げた。
「都企画からエム・クリエイティブへ、毎約百万円の業務委託費が支払われている。名目は『イベント会の制作補助およびリサーチ業務』。ですが、その実態はほとんどなく、入ったから佐伯莉奈へ万、あなたへの名目の役員報酬として万、残りは雑費として引きされ、最終に夫の個座へ還流されている」
「……私は、らなかったんです。に休眠させたとい込まされていて」
「ええ、としては理解できます」 柳先は厳しい調を崩さなかった。
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「ですが、法な『代表取締役』の責任は、それほど軽くありません。さん、あなたが『らなかった』『夫に騙されていた』と主張するだけでは、警察も税務署も通りませんよ。登記簿にあなたの名がある以、対にはあなたが全責任を負うにあるんです」
胃の底が、ぎゅっと締め付けられた。
「都企画の内部監査がいているなら、事態は刻を争います。夫側が『妻が主謀者である』という証拠の捏造を完するに、こちらから事実関係を固定しなければなりません」
「私は……どうすればいいですか」
「まず、庭内に残されている過の郵便物や税務関係の通をすべて確保してください。特に、納税告や決算の控え。夫があなたに無断で会社の税務申告をしていた形跡を押さえる必があります」
「わかりました」
「それからもうつ」 柳先は私を真っ直ぐに見据えた。
「夫からどんな類を突きつけられても、絶対に署名捺印をしてはいけません。特に、解や確認の類は絶対に」
に戻ると、リビングの空気が異様にかった。
義母の富美子が、膝にを当ててソファに座り込んでいる。 テーブルのには、昨夜の残りのえた麦茶。
「……お義母さん」
声をかけると、義母は忌々しそうに顔を背けた。
「真由さん。あなた、昨の夜、修に何を言ったの? あの子、朝から顔を真っ青にしてをてったわよ」
「事なおの話をしただけです」
「お、おって……! 修が専務になって、これから親族にも顔がつっていう事な期に、なんでそんなを差すような真似をするの! しは夫をてるということができないの?」
義母の声が、ヒステリックに裏返る。
私は息を吸い込み、義母のに歩み寄った。
「お義母さん。私の会社宛てに届いていた郵便物、どこにありますか」
義母の肩が、さくねた。
「……何のことよ。らないわよ」
「っているはずです。法務局や税務署、からの通は、すべてこのに届くようになっていました。私がパートにている昼、郵便受けからを回収していたのはお義母さんですよね」
「私は修に頼まれて……あの子の事な仕事の類だから、預かっておいてくれって言われただけで……」
「見せてください」
「断るわよ! 息子の机を勝に漁るような卑しい嫁に、渡すわけないでしょう!」
義母はちがろうとしたが、痛む膝を庇って顔を歪めた。 その隙に、私は義母の部へとを踏み入れた。
「ちょっと! 何するのよ! の部に勝に入らないで!」
背から追いかけてくる義母の罵声を無し、私はタンスの段目の引きしをけた。 そこには、義母の通帳や帳と緒に、輪ゴムで厳に束ねられた茶封筒のがあった。
宛名を見る。
『株式会社エム・クリエイティブ 代表取締役 真由様』