"十二年育てた姪に「人生を奪われた」と告発された" 第10話
スマートフォンをくと、Threadsの通がまだいている。 自分がき込んだ罵倒の言葉が、自分自の首を絞めるロープのように見えた。
翌朝、私は学へ向かった。 講義にはず、キャンパスの端にある「学支援センター」のドアを叩いた。
暗い相談ブース。 名札をつけたの職員が、私の話を淡々と聞いていた。
「親からの援助を絶って、独したいということですね」 「はい。暮らしのアパートを借りたいのと、JASSOの付型奨学を申請したいんです」
職員は、元の端末を操作しながら、困ったように眉をげた。
「野さん、今度から歳は成ですが、奨学の基準は別なんです。JASSOの付型奨学は、原則として『計維持者』、つまり父母の所得を算して審査します」
「でも、母とは縁を切るつもりです。父も、昔婚していて連絡がつきません」
「お気持ちは分かりますが、『庭の』や『勘当』といった個な事だけでは、計維持者からすことはできません。虐待による保護命令がているか、児童相談所や公関による支援措置の証がない限り、お母様の課税証の提が必須になります」
喉が詰まる。 「……そんな」
「それに、アパートの契約も同じです。歳単独での契約を認める物件は極めてないですし、賃保証会社の審査には、定した収入のある連帯保証が求められます。
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お母様か、川越のご親族のサインはもらえますか?」
職員の言葉が、たい現実となってり注ぐ。
歳。 成。 法律のではになったはずなのに、社会の仕組みは、私を両親のから歩もにしてくれない。 おを借りるにも、部を借りるにも、あのたちの署名と捺印が必だった。
元のバッグのには、叔母が渡してくれた百万円の残がある通帳がある。 これを使えば、当面の活費や敷は払えるかもしれない。 でも、契約そのものができないのだ。
支援センターをると、のいが吹き抜けた。 桜のびらが、コンクリートの面に叩きつけられて散っていく。
私はベンチに座り、膝ので握りこぶしを作った。 悔しかった。 けなかった。 ぶって「私のだ」と啖呵を切ったくせに、私はまだ、あのたちの庇護がなければ、をしのぐ部ひとつ借りられないのだ。
でも。 だからこそ、このまま誰かの作った物語の登物で終わるわけにはいかなかった。
私はスマートフォンを取りし、LINEをいた。 ブロックしていた叔母のアカウント。 通話拒否を解除し、メッセージを打ち込んだ。
そして、もう通。 母のアカウントへ。
『今週の曜、川越のに来て。で話したい。逃げたら、学を退して警察にく』
送信ボタンを押した瞬、指先がかすかに震えた。
もう、誰にも私の台を決めさせない。
曜の午。 川越の古い造平建て。
玄関をけると、懐かしい線の匂いと、乾いた畳の匂いが混ざりって漂ってきた。 靴を脱いで廊にがる。 居の襖がいていた。
座卓の向こうに、叔母の紗が座っていた。 濃紺のなカーディガン。髪をろでつに束ね、化粧気のない顔は、先週見たよりもし痩せて見えた。 膝のに置かれた両は、固く握りしめられている。
背で、玄関の引き戸が乱暴にく音がした。 母の玲子だった。 黒いトレンチコートを羽織り、嫌を全に纏って居に入ってくる。 川越の埃っぽい空気を嫌うように、わざとらしくハンカチで元を押さえていた。
「何のつもりよ、結。わざわざこんなボロに呼びして」 母は座布団にも座らず、ったまま叔母を睨みつけた。 「紗、あなたね? 結を唆して、させたのは」
「違う」 私は遮った。 座卓の真ん、のの線が交差する位置に、どんと腰をろした。
「私が呼んだの」
が同に私を見る。 叔母の目にはい怯えと罪悪が、母の目には隠しきれない苛ちが浮かんでいた。
「ルールを決める」 私は持参した学のノートとボールペンを、座卓のに置いた。 「が勝に喋らないで。私が質問するから、答えて。
嘘をついたり、誤魔化したら、その点で席をつ」