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"「明日から母をやめます」結婚前夜、席次表を消した私" 第5話

私は歩、ののへと踏みした。

扉が背でく閉まる。 バタン、という鈍い音が、私のの結婚活に、酷で確実な終止符を打った。

たいホテルの理の廊を歩きながら、私はバッグからスマートフォンを取りした。 画面をタップし、あらかじめ登録しておいた産の番号を呼びす。

指先は、もうこれっぽっちもたくなかった。

式をびし、そのまま産へ向かったの夜。

都の片隅、築のワンルームマンション。 鍵をけ、段ボールがつだけ置かれた埃っぽいフローリングに座り込んだ瞬、私のスマートフォンが激しく震え始めた。

画面にる「親族グループ」のアイコン。

通の数字が、、、とねがっていく。

指先を滑らせていた画面に、本の画が貼り付けられていた。

披宴の壇、スポットライトを浴びて涙を流す奈央。 そして、最列からちがり、たく背を向けて扉へと歩きす私のろ姿。

絶妙に編集された、悪の塊のような数秒の切り抜き画だった。

そのには、夫・俊彦からの文が連なっていた。

『親族の皆様へ。本、連れ添った妻・佳代が、娘のれ台をこのような形で踏みにじり、勝にてきました。、母の介護も事も任せてきた恩を仇で返すような暴挙です。

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奈央も私も、い絶望のにあります。皆様にはご配をおかけし、誠に申し訳ありません』

瞬くに、親族たちの返信が滝のように画面を埋め尽くした。

『佳代さん、これはあんまりじゃないの?』 『奈央ちゃんがどれだけ傷ついたか……母親として恥ずかしくないんですか』 『いくら血が繋がっていないからって、こんな残酷な真似ができるなんて信じられない』 『俊彦さん、奈央ちゃん、しっかりして。みんなが方だからね』

画面のが、暗い部の壁に青く揺れていた。

喉の奥が、ぎゅっと締め付けられる。 。 冠婚葬祭のたびにをげ、親戚付きいの贈答品を配し、のの「体面」を必で守り続けてきた私のは、たった本の切り抜き画で「酷な継母」へと塗り替えられた。

スマートフォンを握るのひらに、じっとりとたい汗が滲む。

言い訳の言葉は、いくらでもあった。 夫が勝に私の無償労働を居へ差しそうとしたこと。 娘が私を「無償の政婦」として囲い込もうとしたこと。

けれど、文字を打ち込もうとした指が、ピタリと止まった。

……無駄だ。

このたちが求めているのは真実ではない。 「れな被害者の男」と、「非な悪者になった継母」という分かりやすい物語を消費したいだけなのだ。

私は画面を伏せた。 そして、親族グループの通を、迷わず「オフ」

に設定した。

曜の朝番、私は区役所の民課の窓にいた。

「『婚届受理申』ですね。ご本確認の類をお願いします」

マイナンバーカードを提示し、類に署名する。 俊彦という男の性格は、嫌というほど熟していた。 世体を何よりもんじるあのは、私が勝に婚届を提することを最も恐れると同に、自分の都の良いタイミングで、方に私を責配偶者に仕てげた婚届を偽造してしてくる危険がある。

この受理申をしておけば、私の同のない届けは全国どこの役所でも受理されない。

続きを終えたそので、私は政士の事務所へと向かい、俊彦宛ての「別居および協議婚申入」を内容証郵便で発送した。

法な防波堤を、つずつ、音をてずに築いていく。

そのの夕方、案の定、俊彦から着信があった。 留守番話に残された声は、りで微かに震えていた。

『おい、佳代。何が内容証だ、ふざけるな。親戚がおの悪をってるんだぞ。おみたいな何の資格も職歴もない半ばの女が、でアパートを借りて活できるわけがないだろう。どうせ来週にはが尽きて、泣きついてくるに決まってる。言っておくがな、そのは玄関で座しても許さんからな』

話を切ったあと、私は部の隅に置いたさな帳をいた。

そこには、私がパートで得た与から、、毎しずつ貯めてきた私名義の普通預の残が記されていた。

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