みかん小説
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"夫が私を退職させた翌朝、会社は夫を呼び出した" 第4話

と突きつけられていたことを。

夫は、自分のの延命のために。 自分の見栄とのために。 かけて私が築いてきたと尊厳を、元から売り払おうとしたのだ。

「……田島部」

私の声は、かすれていなかった。 むしろ、喉の奥の渇きが消え、研ぎ澄まされた刃物のようにたくなっていた。

「その段ボールの発注、相見積もりは取られたのですか?」

田島の表が、瞬で凍りついた。

「な……何を言いすんだ」

「資材課の購買規定では、百万円以の規取引には社以の相見積もりが必須のはずです。夫の会社が提示した単価は、従来の指定業者よりパーセントもい。なぜその条件で通ったのですか?」

「そ、それは……緊急のラインちげに対応できるのが、元の回りが利くだけだったからだ!」

「その点も含めて、先ほど事部と監査に提した報告に記載いたしました」

田島が目を見き、息を呑んだ。 信じられないものを見るように、私を凝している。

「き、君……正気か……? 自分の夫の会社を、背任の疑いで監査に差ししたというのか……?」

「私は、品質管理の責任者です」

私はデスクのの認印をに取り、自分の胸ポケットに滑り込ませた。

「法と規定に従って、自分の職務を果たしているだけです」

田島は顔を真っ赤にして拳を震わせ、言葉にならない呻き声を漏らしながら、踵を返して部をてった。

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乱暴に閉められたドアの振が、壁を伝って私の元まで届いた。

静まり返った部ので、私はゆっくりと息を吐きした。 の震えは止まっていた。 もう、戻りはできない。

午。

の裏にある、荷ヤード。 フォークリフトが忙しなくき交うはずの広い空に、異様な静けさが漂っていた。

積みげられたパレットのには、茶い装段ボールが然と並んでいる。 『熟成旨み醤油だれ 300ml×24本入』

私はパレットにづき、番にある段ボール箱の底面を確認した。 製造ロット番号の横に、さく印刷された製造会社の記号。

【SKP-01】

佐藤パッケージングの略称だ。 真しい段ボールの、独特の糊とパルプの匂いがを突く。 健が毎晩、油と埃まみれになって帰ってきていた、あのさな町の匂い。

結婚して。 私はあのの資繰りのために、どれだけ自分の与を活費に補填してきただろう。 「おのパート代なんて雀の涙だ」と罵倒されながら、ボーナスがるたびに夫の会社の納税資として渡してきた。

私のでき延びておきながら、最には私を切り捨てて、そのしのぎの延命を図る。

「おい! 由美!!」

背から、気に満ちた鳴り声がんできた。

振り返ると、荷ヤードの通用のところに、健がっていた。

作業着の着を羽織っただけで、ネクタイもしていない。 警備員の制止を振り切って入ってきたのか、息を切らし、目は血っていた。

「お、本当に何考えてんだよ!」

健は私に向かって股で詰め寄ってきた。 周囲の作業員たちが、巻きにこちらを伺っている。

「事の神崎から話があったぞ! 荷を止めたってどういうことだ! 俺の会社のことまで会社にチクりやがって!」

「敷内に勝に入らないで。部者ち入り禁止よ」

「部者だと!? 俺はおの夫だぞ!」

健は私の腕を掴もうとを伸ばしてきた。 私はとっさに半歩ろにがり、そのを鋭く払いのけた。

「触らないで」

「あ……?」

健は、払われた自分のを信じられないように見つめた。 、私が彼のを拒絶したことなど、度もなかったからだ。

「ここはおのが儘を通す所じゃないんだよ!」

健は周囲の目を気にするように声を落としたが、その語気は殺気を帯びていた。

「田島さんから聞いたぞ。原料の類がどうとか言ってるらしいな。そんな箱の隅をつつくような真似して、何になるんだ! おのそのつまらないのせいで、俺の納品した段ボールが全部ゴミになるんだぞ! 百万円だぞ! 今末の渡りを防ぐためのなんだ!」

「っていたのね」

私はく、呟くように言った。

「原料に問題があること。類が揃っていないこと。最初から全部っていて、田島部と裏をわせたんでしょう」

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