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"妻の葬儀の夜、義母が外した指輪と娘の写真" 第4話

修は問い詰めた。

「くなる3ヶに、どういうに?」

麗子は引きがらなかった。

「録音があるわ。美保の声ではっきりと」

修は写真から目をさなかった。

画面のの美保は、っているようには見えなかった。

泣いてもいなかった。

ただ見ていた。見ていることから逃げなかった。

その静けさが修には耐えられなかった。

修はスマートフォンをく握った。

「だったら、どうして何も言わなかった?」

麗子は修を見つめた。

「残りのを、争いに使いたくなかったのよ」

修の線が鋭くなった。

「あなたに、そう言ったんですか?」

麗子はすぐには答えなかった。

その沈黙はかった。

だが修は聞き逃さなかった。

修は声を荒げた。

「麗子さん!」

麗子は顔を背けた。

「美保はそういう子だったわ。自分が傷ついても相を責めない。りをみ込んで正しいでいようとする」

修は歩踏みした。

「質問に答えてください」

麗子はろへがった。

「今はやめましょう」

修はたく言い放った。

「さっき曖昧にするなと言ったのはあなたです」

麗子の肩がわずかにがった。

喪の布が静かに揺れた。

彼女は座卓のの指輪へを伸ばした。

修は先にそれを取った。

握りしめる属がのひらへい込んだ。

その痛みだけが、今ここにいることを教えた。

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スマートフォンがもう1度震えた。

咲からだった。

『今の午10にく。おばあちゃんもいて。お母さんの声を最まで聞いて。最まで』

その文字を見た瞬、麗子の顔から血の気が引いた。

修はゆっくり彼女を見た。

「最までとは、どういうです?」

麗子は即座に答えた。

「らないわ」

すぎる答えだった。

修は何も言わなかった。

麗子もそれ以は話さなかった。

2の茶から湯気が消えていった。

しばらくして、麗子は着をに取った。

「今夜は帰るわ」

修は引き止めなかった。

玄関まで送ることもしなかった。

扉が閉まる音を居で聞いた。

1になったは、葬儀より静かだった。

修は遺のへ戻った。

美保の笑顔と、スマートフォンのの美保の線が同じのものとはえなかった。

方は、彼が覚えていた妻。

もう方は、彼が見られたくなかった自分をっている妻。

はをそのまま見ているつもりで、自分に都のいい面だけを選ぶ。

妻を優しい女だとえば、そのりは見えなくなる。

義母を理解ある女だとえば、その欲望は見えなくなる。

自分をい夫だとえば、逃げた夜の数は見えなくなる。

ユングがペルソナと呼んだ社会の仮面は、に見せるためだけのものではない。

最もく騙されるのは、抵それをかぶっている本だった。

修は握っていた指輪をいた。

のひらに赤い跡が残っていた。

指輪を薬指へ戻そうとした。

関節まで入れたところでが止まった。

窓ガラスに自分の姿が映っている。

黒い喪、緩んだネクタイ、半分だけはめた。

そのろに美保の遺。

ガラスのでは、んだ妻がまだ彼を見ていた。

修は指輪を抜いた。

だが、置くこともできなかった。

夜がくなるまで、彼はそれをのひらに握ったまま、め切った茶のに座っていた。

むことも、捨てることも、ちがることもできずに。

6ヶ。

6の朝は細いに包まれていた。

病院の正面玄関へ続く畳が濡れ、入りする々の元だけが鏡のを歩いているように映っていた。

午940分。

修は黒川建築設計の社用からりた。

濃紺のスーツ、いシャツ、いのネクタイ。

にはい薔薇の束、には取引先から届いた級な果物の箱。

運転が傘を差しすよりく、病院の広報担当者が玄関から駆け寄ってきた。

「黒川社、本はお忙しいありがとうございます」

修は柔らかく笑った。

「いいえ、妻のことでこちらにはお世話になっていますから」

そのの病院では、しい緩ケア病棟の設計コンペについてい打ちわせが予定されていた。

黒川建築設計は無償で初期案を提供していた。

社内報にはこうかれていた。

『妻の闘病をきっかけに、患者と族がを休められる医療空を目指す』

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