"妻を追い出した翌朝、7枚のブラックカードが止まった" 第17話
が尋ねる。
「承いたしました。では次のはいかがいたしましょうか」
私が答える。
「追い詰められた彼らが内部でどのような醜い責任転嫁を始めるのか、それを見届けてからでも遅くはありません」
スマートフォンの着信が1度途切れ、再びけたたましく鳴り始めた。
私はその着信音を、彼らの絶望を奏でる美しい音楽のように聞き流していた。
義両親はを失い、達也は会社と財産を失った。
残るは彼らが互いに保へり、族という偽りの絆を自らので引き裂く姿を確認することだけだ。
私がつぶやく。
「の麗華が彼を見捨てるのも、の問題でしょう」
私がそう呟いた、モニターのの映像にたなきがあった。
エントランスのにち尽くす達也を置きりにして、麗華が1で背を向けたのだ。
に歩きっていく彼女の姿が、カメラの枠の端へと消えていった。
達也が慌てて追いかけようとするが、彼はもう1歩もけなかった。
孤無援となった彼が、最にどのような鳴をげるのか。
私の極温の粛清は、いよいよ逃げのない完全な公処刑へ向けて、静かにその歩みをめていた。
総帥の型モニターで、達也の元からちる麗華の姿を確認した直だった。
デスクのに置かれていた私のスマートフォンが、またしてもい振を始めた。
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しかし、画面に表示されていたのは、狂ったようにリダイヤルを繰り返している達也の番号ではなかった。
が元の端末と照らしわせ、静かに報告した。
「総帥。この番号は、の麗華が使用している携帯話のものです」
私がし驚いたように眉をげる。
「あの女からですか?よほど切羽詰まっているようですね」
私はややかな笑みを浮かべた。
「先ほど会社の防犯カメラで、彼女が達也を置きりにして逃げていく姿を見たばかりです」
私はスマートフォンを見ろしながら続けた。
「の切れ目が縁の切れ目とはいえ、この段階で私に連絡してくるとは、随分と図太い神経をしているとします」
私はへ目配せした。
「スピーカーで応答します。彼女がどのような醜い保を見せるか確認しましょう」
私は通話ボタンを押し、穏やかな声で応答した。
「はい。美桜です」
『み、美桜さん!?私です、麗華です!』
話の向こうから聞こえてきたのは、昨までの甘ったるい声とは打って変わった、焦りと恐怖に満ちたずった声だった。
『いきなり話してごめんなさい!でも私、本当に何もらなかったんです!』
彼女は私が何かを言うより先に、方な言い訳をまくして始めた。
『達也さんが、自分は商数億の社だって言うから信じてたのに!まさか会社のおを盗んでいたなんて!私、本当に騙されてたんです!』
私は声をさずに、極温の笑を浮かべた。
昨夜、私のことを政婦みたいだと嘲笑し、達也と緒に私をから追いしたの勝ち誇った態度はどこへったのだろうか?
『さっき達也さんが会社に入れないのを見て、全部嘘だったんだって気づきました!私はただの被害者です!』
彼女は必に命乞いをするように叫んだ。
『だから、私をんだり慰謝料を請求したりしないでください!』
彼女の言葉には、自分だけはから逃げしたいという浅ましい自己保しかない。
私は切のを交えず、氷のようにたい声で彼女の言葉を遮った。
「慰謝料?あなた、何か勘違いをしているようですね」
『え……?』
「ええ、私はあなたのようなに嫉妬やみを抱くほど暇ではありません」
私が事実だけを淡々と突きつけると、話の向こうの麗華は困惑したように息を呑んだ。
私が言葉を続ける。
「ただし、あなたが達也さんから受け取った級や計、宝類については話が別です」
『あ、あれは達也さんが勝に私に貢いできただけで……!』
私が絶対な事実を突きつける。
「彼があなたへ貢いだその資は、全て彼が私の会社から横領したものです」
私の言葉に、麗華の呼吸が確に止まった。
「犯罪によって得られたの資産を、あなたがそのまま自分のものにできるとでもっているのですか?」