"妻を追い出した翌朝、7枚のブラックカードが止まった" 第14話
スピーカーでてください」
私の指示に従い、は通話ボタンを押して端末をデスクのに置いた。
「はい。巨グループ本部法務・監査担当のです」
が極めて事務な声で名乗ると、話の向こうからりに満ちた声が響き渡った。
『さん!さっき届いたメールは体何の冗談ですか!俺が解任ってどういうことだ!』
達也の声は、軽井沢の別荘から追いされた直ということもあり、ひどくずっていた。
はを切交えず、事実だけを徹に突きつける。
「冗談ではありません。面に記載されている通り、あなたは本付けで代表取締役を解任されました」
『ふざけるな!俺はこの会社の創業者であり、100%オーナーだぞ!』
達也は自分の虚像にしがみつき、必に声を張りげた。
『勝に親会社を名乗って、俺の会社を乗っ取るつもりか!こんな当な解任、絶対に認めないからな!』
自分の実力で会社をきくしたという彼の錯覚は、ここまで根かったのだ。
話越しに聞こえる彼のれな主張に、私は声をさずにたく笑った。
の氷のような声が、達也の鳴り声をぴたりと止めた。
「達也氏、あなたは刻な勘違いをされているようですね」
は静に事実を並べる。
「3にあなたの会社が倒産寸だった、がグループが子会社を通じて全ての負債を肩代わりしました」
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『あ、あれは単なる資援助だろう!俺の才能に投資したって……』
は達也が目を背け続けてきた法な現実を、容赦なく読みげた。
「その際、担保としてあなたの会社の全株式をがグループが取得し、完全子会社化する契約を結んでいます」
は彼を完全に否定した。
「あなたは所者ではありません。親会社であるがグループから派遣された、単なる雇われ社に過ぎないのです」
『雇われ……社……?嘘だ!そんなの形式のことだろう!俺が稼いだ利益はどうなる!』
達也の調から、先ほどまでの勢いが急激に失われていった。
自分が絶対な権力者ではないかもしれないという恐怖が、ようやく彼の脳裏をよぎったのだろう。
彼が夜も眠れずに借取りに怯えていた3、私は彼を救うためにグループのな資本をかした。
彼が自信を取り戻し、いつか本当の族として私をしてくれると信じていたからだ。
しかし、私が与えた救いのは彼の異常な虚栄を育て、私を寄虫と見す怪物を作りげてしまった。
は彼の虚栄を根底から砕する言葉を叩きつけた。
「あなたが稼いだと錯覚している利益は、全てがグループの信用とインフラがもたらしたものです」
は酷に続ける。
「あなたはただ、親会社が用したレールので社という役職を演じていただけに過ぎません」
『そ、そんなバカな……俺は才な経営腕で、商数億の会社に育てげたんだぞ……』
の鋭い指摘が突き刺さる。
「その才な経営腕とやらで、会社の経費を正に引きしへ貢いでいたわけですか?」
話の向こうで、達也が息を呑む音がはっきりと聞こえた。
『な、何を言っているんだ……』
は容赦なく追い詰める。
「監査チームからの報告は全てがっています。ディーラーでのの購入資、級ホテルの宿泊費、宝類……」
は達也が隠蔽していたはずの横領の事実を次々と列挙していった。
「これらは全て業務横領という確な犯罪為です。親会社として決して見過ごすことはできません」
『ち、違う!あれは正当な交際費だ!俺にはそれだけの報酬を受け取る権利がある!』
達也は声を引きつらせながら、必に言い訳を並べてた。
しかしどれほど声を荒らげようとも、法な証拠のでは何のも持たない。
『待ってくれ、さん!総帥に……巨グループの総帥に直接話をさせてくれ!』
ついに彼はプライドを捨てて願し始めた。
『俺のこれまでの実績を直接説すれば、必ず分かってもらえるはずだ!俺はまだやれる!』
彼はらない。
今自分がすがりつこうとしている絶対な権力者が、昨彼がゴミのように見してから追いした妻であることを。