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"全盲の義母が言い当てた味噌汁の色" 第9話

「美しいわあ! やっぱり専の鰻は脂が乗っていて最ねえ!」 無邪気に舌鼓を打つ義母の姿を、私は腕を組んだまま、氷のようなたい差しで見つめ続けた。

そして、義母が最のをみ込み、満そうにお茶をすすった、その瞬だった。

「……お母さん。し、お伺いしたいことがあるんです」 私のく抑えた声に、義母は湯呑みを持ったまま顔を向けた。 「なあに、美玲さん? ごちそうさま、とっても美しかったわよ」 私は義母の濁したはずの瞳を真正面から射抜くように見つめ、語語を噛み締めるように告げた。

「お母さん。本当は……私の作った料理、もべていませんよね?」

ピキリ、と内の空気が凍りついた。 義母の元に浮かんでいた笑みが、絵の具が固まるように引き攣った。 「……な、何を言っているのよ美玲さん。私は盲目なのよ? あなたが運んでくれた事以、どうやってべられるっていうのよ」 「じゃあ、どうして毎晩のように、級寿司やフレンチのデリバリーを頼んでいるんですか?」

義母の顔から、サッと血の気が引いた。 私がポケットからスマートフォンを取りし、画面をタップしようとした瞬、テーブルのに置かれていた義母のが、ビクッとねるようにいたのを私は見逃さなかった。 目が見えないはずのが、相がスマートフォンを取りした作に、なぜこれほど過敏に反応するのか。

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「私、見ましたよ。あなたが捨てろと言ったあのゴミ袋の。……つかずの私の料理と、量のデリバリーの容器、そして毎晩のレシートをね」 「……っ! あ、あなた……まさか、ゴミ袋のを漁ったっていうの!?」

義母の声が、瞬にしてく濁った声へと変わった。 その顔には、先ほどまでの穏やかな義母の面など微もなく、自分のプライバシーを暴かれた犯罪者のような、凶悪な敵が剥きしになっていた。 「ええ、確認させていただきました。お母さんは目が見えないはずなのに、どうやって毎晩違うにデリバリーを注文しているんですか? どうやってスマホを操作しているんですか?」

私の徹な追及に、義母は唇をワナワナと震わせ、しどろもどろになって線を彷徨わせた。 だが、次の瞬、彼女は自らの非を認めるどころか、テーブルを両でバンと叩いてちがり、切り声をげて逆ギレしたのだ。

「いい加減にしなさいよ! そんな失礼な言いがかりをつけるなら、今すぐ私のからてきなさい! 目が見えないな寄りを捕まえて、そんな汚い疑いをかけるなんて、あなたとして最の嫁よ! 親孝者! さっさと帰りなさい!」

唾をばしながら喚き散らす義母の形相を見つめながら、私は確信した。 このは、自分が何をしているのかを完全に理解している。

そして、その悪事が見しそうになったからこそ、こうして『な盲の被害者』という仮面を被り直して、声で相を威嚇し、煙に巻こうとしているのだ。

私は何も言い返さず、静かにをげてそのをにした。 戦うための武器――法に絶対に言い逃れのできない決定な証拠をに入れるまでは、これ以に衝突してもがないと悟ったからだ。

自宅に戻った私は、自のデスクの引きしから、先スーパーの駐で受け取った枚の名刺を取りした。 『結法律事務所 弁護士 結翔太』 代の友に庭の恥を晒すことへの躊躇いは、もちろんあった。けれど、私にはもう頼れる方がもいなかったのだ。 を決して受話器を取り、名刺にかれた番号をプッシュした。

事務員を通じて折り返しの連絡をくれた結は、話で私の緊迫した声を聞くや否や、即座にを作ってくれた。 「美玲、今から事務所のくの喫茶で会おう。詳しい話を聞くよ」

分、オフィスの片隅にある静かな喫茶の奥の席で、私は温かいカフェラテをにして、結と向かいっていた。 結はメモ帳とペンを机に置き、私の憔悴した顔を配そうに見つめながら、静かに促してくれた。 「どんな話でも驚かないから、美玲のペースで話してくれ」

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