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"全盲の義母が言い当てた味噌汁の色" 第8話

そのゴミ袋のから……これがてきたの」 「……レシート? 級寿司にフレンチ……? なんでこんなものが母さんのゴミ袋に入ってるんだよ」

健太はレシートを枚つまみげ、首を傾げた。私は震える声で、必にを押し殺しながら言った。 「付とを見て。毎よ。しかも、私が夕を届けた直の帯ばかり。……お母さんね、私が何もかけて作った料理を、もべずに丸ごとゴミ箱に捨てて、裏で級デリバリーを毎晩頼んでべていたのよ」

自分の作った料理が、ゴミの底で腐敗していたという屈辱な事実。それを言葉にするだけで、喉の奥が引き裂かれそうに痛んだ。 しかし、私の告発を聞いた健太の反応は、私の像を絶するほどに淡で、無神経なものだった。

「……はあ? たまたまだろ、そんなの。母さんだってたまにはさ、の贅沢な飯がいたくなるくらいあるだろ。息抜きだよ、息抜き」 「たまたまですって!? 毎よ! ここにあるレシート、過ヶ分だけでも枚以あるのよ!? 毎毎、私の料理を捨ててを取っていたのよ!」 「そんなこと、俺にギャーギャー言われたって分かるわけないだろ!」

健太は苛たしげにレシートをテーブルに投げ捨て、を組み直した。 「だいたいさ、本当に母さんが捨てたのか? おが料理の付けを失敗して、母さんのにわなかったから残しただけなんじゃないのか?」

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夫のその無慈な言葉は、私の胸の真んを鋭利なナイフで抉り抜いた。 「……どういう? 私が悪いって言いたいの?」 「そうは言ってないだろ! ただ、おの方な言い分だけを聞いて、実の親を疑うわけにはいかないって言ってるんだよ。そもそも、そのゴミ袋の件、おは直接母さんに確かめたのか?」 「そ、それは……まだ……」 「なんだよ、本に確かめもしてないのかよ! 事実確認もろくにしないで、疲れて帰ってきた夫にヒステリックに当たり散らすなよな!」

健太は舌打ちを鳴らすと、テレビのリモコンをに取り、画面の音量をげた。 夫婦なのに、苦しみを相談することすらできない。 連れ添ってきた夫のえ切った横顔を見つめながら、私ので張り詰めていた何かが、プツンと音をてて完全に切断されたのをじた。

この男に期待することなど、最初から違いだったのだ。 夫は妻の尊厳など何つ守る気はなく、ただ自分の都のいいように私を消費し、母親の介護を押し付けていただけなのだ。 もう、夫に頼ることはできない。 この嘘と欺瞞に満ちた獄から抜けすためには、私自の力で真実を暴き、決着をつけるしかないのだ。

翌朝、私はのにたい炎を灯しながら、再び義母のへと向かった。 「お母さん、美玲です。いらっしゃいますか?」

「ええ、リビングにいるわよー」 居のこたつに入っていた義母は、いつものように穏やかな笑みを浮かべて私を迎えた。 「あら美玲さん、かったわね。何か用事でもあったの?」 「いえ、これから買いしにこうといまして。そのに、今のお夕飯のご希望を聞きに来たんです」 「あらそう? 今のお夕飯は何かしらねえ」 首を傾げる義母に対し、私は獲物を罠にかける狩のように、極めて自然な調で提案を持ちかけた。

「お母さん、今はずっと気になっていたデパの名で、豪華なお弁当を買ってこようとうんです。たまにはプロのもいいかといまして」 「まあ! じゃあ今は、美玲さんの料理はお休みってこと?」 「ええ、そうなりますね」 すると、義母の瞳が瞬、目に見えてパッと輝いた。 「そうねえ! じゃあ私、デパの鰻がべたいわ! 番い特を買ってきてくれる?」

自分の料理がべられないとった瞬の、あの嬉しそうな表。 私の料理がなければきていけないと涙を流していた女が、デパの鰻と聞いてあからさまに相好を崩しているのだ。 私は腹の底で渦巻くりを押し殺し、「分かりました、買ってきますね」と微笑んでへた。

、私は老舗割烹の特鰻弁当を携えて義母のへと戻った。 テーブルのに湯気のつお弁当とお茶をセットすると、義母は待ちきれないといった様子で割り箸を割り、ばしいタレの染みた鰻をいっぱいに頬張り始めた。

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