"夜勤の救急外来に運ばれた夫と義姉" 第21話
調委員が、父が作成した分い類に目を通し、淡々と事実確認をめていく。
拓也と麗子の貞為。
にわたる義母を含めた3からのモラルハラスメント。
その全てを裏付ける音声データや記の数々。
拓也と麗子は何も反論できなかった。
ただ、力なく頷くだけ。
「以のことから、夫、佐藤拓也氏の責性はらかであり……」
調委員が最終な結論を告げた。
「妻み咲さんに対して、慰謝料として3000万円を支払う義務があると認められます」
3000万。
今の拓也に払えるはずのない額だ。
「そ、そんな……払えるわけが……」
拓也が掠れた声で抗議しようとした、そのだった。
「異議ありません」
私が静かに、しかしはっきりとをいた。
そして私は、この復讐劇のフィナーレを飾る最のセリフを彼らに叩きつけた。
「ただし、その慰謝料は、現でいただかなくても結構です」
「えっ……」
拓也と麗子が、怪訝な顔で私を見る。
私はにっこりと、悪魔のように微笑んでみせた。
「お義母様たちがんでいらしたあの、今競売にかけられていますよね」
私はゆっくりと言葉を紡ぐ。
「そのを、慰謝料の代わりに私がいただくということで、いかがでしょうか?」
2の顔が、絶望に凍りついた。
あのは彼らがまれ育ち、佐藤の栄の象徴だった所だ。
「拓也さん、あなた言いましたよね。
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護師が、誰にでもできる仕事だって」
私は彼を見ろして、言い放つ。
「そのあなたが見していた仕事で、私はあなたたちの全てを奪うことができるんですよ」
私は次に麗子の方を向いた。
「麗子さん、あなたは言いましたね。子供も産めない半だって」
私は彼女の虚ろな目を覗き込む。
「ええ、その通りです。でも、半の私でも、あなたたちのを根こそぎ奪い取ることくらいはできるみたいです」
私はゆっくりとちがった。
「あなたたちはこれから2で、そのにみ続けるといいわ。私が所者となったそのでね」
私は最のトドメを刺す。
「毎私に賃を払いながら、姉弟で仲良く、肩を寄せってきていけばいい」
私はドアへ向かい歩きす。
「ああ、そうだ。1つ言い忘れていました」
私は部をていく直、振り返って最の笑顔でこう言った。
「あなたたちが結したまま運ばれてきたあの夜。ストレッチャーので無惨に絡みうあなたたちを見た、私、の底からこうったんです」
私は呼吸を置いて、言葉を続けた。
「ざまあみろ、って」
その言葉は、まるで鋭い刃のように2の臓を貫いた。
拓也と麗子は顔面蒼のままわなわなと震え、そしてそのに崩れ落ちた。
彼らのには、私のらかな笑い声が、いつまでも、いつまでも響き渡っていたことだろう。
スカッとする、最の瞬。
私の、完全なる勝利の瞬だった。
あの壮絶な復讐劇から1が過ぎた。
季節は巡り、桜のがしいを祝うかのようににっている。
私は、拓也たちからに入れたあのきなのにっていた。
かつては佐藤の栄華を象徴し、私にとっては屈辱の所でしかなかったこの。
しかし、今は違う。
表札には『佐藤』ではなく、私の旧姓である『』という真しいプレートが掲げられている。
「み咲、終わったぞ」
のから父が笑顔でてきた。
私たちはこの1をかけて、このを私のしいの拠点へとまれ変わらせたのだ。
のはすっかり様変わりしていた。
義母の悪趣な調度品は全て処分され、るい差しが差し込む温かみのある空になっている。
そしてその1階部分は、私のを形にした所へと姿を変えていた。
訪問護ステーション。
私がたにちげた事業所の名だ。
あの事件の、私は勤めていた総病院を自ら退職した。
くの同僚から引き止められたが、私の決は固かった。
組織ので誰かの指示を待つのではなく、私自の信じる護を、必としているたちに届けたい。
そうくうようになったのだ。
父が法な続きや経営の面で全面にサポートしてくれ、かつての同僚たちのから、私の理に共してくれた数名がスタッフとして集まってくれた。