"夜勤の救急外来に運ばれた夫と義姉" 第20話
真っ赤な嘘だが、今の私にはそれを真実に塗り替えるだけの力があった。
「私は怖かった。護師という仕事は私の全てでしたから。だから私は、病院の言う通りにするしかなかったんです」
私は再びをげた。
「本当に、申し訳ありませんでした」
私は再びカメラので泣き崩れた。
病院に利用された、れな被害者。
父が描いた脚本通りの役を、私は完璧に演じ切った。
その瞬、世論という名の巨な秤が、きく私の方へと傾いた。
今まで好奇の目でこの事件を見ていた々も、完全に私の方になっただろう。
拓也と麗子、里子は、ただの倫をした愚かな族から。
1の優しい女性を寄ってたかって苛め抜いた、極悪非な悪魔へとその姿を変えた。
そして病院は、祥事を隠蔽するためにき個に圧力をかけた、腐敗した組織という烙印を押されたのだ。
私の涙の独は、全国に継された。
インターネットのニュースサイトはサーバーがダウンするほどのアクセスが集し。
SNSのトレンドは全てこの話題で埋め尽くされた。
『み咲さんすぎる。旦も義姉も義母ものクズだな』
『この病院最最悪!絶対に許すな!』
『み咲さんを助けたい。頑張れ!』
逆転の狼煙はがった。
私が仕掛けた復讐の炎は、もはや誰にも消すことのできない業となって、全ての敵を焼き尽くし始めた。
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私はクルーに支えられながら、そのをにした。
に乗り込む直、私は病院の建物を見げた。
窓際につ鈴先と目があった気がした。
彼の顔は、絶望と、そしてほんのしの諦観に満ちていた。
さようなら、先。
私はので、静かに別れを告げた。
あなたには、しだけ申し訳ないことをしたかもしれない。
でもこれも、私の復讐のため。
全てはこれから始まる本当の裁きのための、序章に過ぎないのだから。
私の涙の独から1週が過ぎた。
本を巻き込んだ騒は、たな局面を迎えていた。
私が投げ込んだ『病院による隠蔽作』という爆弾は、凄まじい破壊力で、全ての関係者を奈落の底へと突き落としていった。
まず、病院が崩壊した。
連抗議の話が殺到し、病院のウェブサイトは炎。
来患者は激減し、優秀な医師や護師たちが次々と辞職を表した。
私の告発をく見た労働省は、異例の速さで病院へのち入り調査を始。
ずさんな管理体制が次々とらかになり、田院は辞任に追い込まれ、病院は事実の業務止命令を受けた。
鈴先も管理責任を問われ、い処分がされたとの噂で聞いた。
次に、義母の里子が破滅した。
彼女が社夫を務める〇〇建設は株価が暴落。
主取引先からは次々と契約を打ち切られ、会社の経営は気に傾いた。
弁護士は勝ち目がないと悟ったのか、々に代理を辞任。
全ての資産を失い、豪邸も放すことになった里子は、労がたたり、今では方のさな療養施設で廃のように過ごしているという。
誰も彼女の見いには訪れない。
そして主役である拓也と麗子には、最も惨めで最も残酷な結末が用された。
私の独の、2は世から『本で最も醜悪な姉弟』として、その顔と名が完全にれ渡ってしまった。
退院もどこへってもろ指を指され、罵声を浴びせられる々。
精神に追い詰められた2は、に引きこもるしかなくなった。
拓也はもちろん懲戒解雇。
再就職先など見つかるはずもなかった。
彼が最も誇りにしていたエリートとしての位は永に失われた。
さらに術の遺症は刻で、彼が2度と男としての自信を取り戻すことはないと診断がされた。
麗子は婚約者から慰謝料として数千万円を請求され、婚約は当然破棄。
彼女の華やかな未来は、ズタズタに引き裂かれた。
友たちも蜘蛛の子を散らすように彼女の元からっていった。
そして今、私は父と共にある所を訪れていた。
庭裁判所のさな。婚調の最終だった。
テーブルの向こう側には、やつれ果て気を失った拓也と。
その隣でうつろな目をして座る麗子がいた。
付き添いで来ていたのだろう、里子の姿はもうそこにはない。