"貧乏老人を嘲笑った行員の末路" 第11話
毎朝、勤してきた員たちはそののにちイドし、のでく礼してからそれぞれの窓へと向かうのが、この支のしいルーティンとなっていた。
こうした劇な変化ので、希自の活環境もまた、きな救済と定を得ていた。母・千鶴のく続く入院治療の費用は、財団が全面なバックアップとして設した「医療支援基」から、毎滞りなく補填されるようになった。かつては毎の請求を見るたびに胃が痛くなるほどの経済圧迫と戦っていた希だったが、その荷が綺麗に拭いられたことで、彼女のにはかつてないほどの平穏が訪れていた。
さらに、経済な理由からの選択に悩んでいた弟の学費についても、財団の特別奨学制度からい補助が配されることになった。弟は自分の将来のに向かって、何の配もいらない環境ので勉学に打ち込むことができるようになったのだ。
希は、クオンふれあい財団の窓で働きながら、ふと自分のの軌跡を振り返ることがあった。あの、ボロボロのジャケットを着た老が窓に現れなければ、そして自分がどんなに遇されようとも「あのを守りたい」と勇気を振り絞って声をげなければ、今のこの温かい景に会うことはけっしてなかっただろう。
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誠実さはとして愚直にえるかもしれないが、決して裏切られることはない――。希はカウンターのをもう度綺麗に拭いげると、たな来訪者を迎えるために、からの微笑みを浮かべて顔をげた。
あるの、希は久しぶりに母の病を訪れていた。窓辺の瓶では、淡いピンクのコスモスが控えめに揺れている。ベッドに半を起こした母・千鶴が、痩せ衰えたで希のを握った。
「希、しいお仕事はどう?」
「うん。お母さんがずっと教えてくれた『誠実でいなさい』っていう言葉。それを輩の員さんたちに伝えていく仕事なの」
千鶴の目に、ゆっくりと涙が滲んだ。
「ちゃん、ちゃんと覚えていてくれたのね……」
千鶴は痩せたで希の頬をそっと撫でた。
「うん。お母さんのおかげだよ。ありがとう」
「あなたは、私の誇りよ」
母のを握る希の指先に、もう震えはなかった。そののの午、財団のさな応接で、希は次郎にくをげた。
「会、私はこれから何をお返しすればよろしいのでしょうか?」
「お返しなどいらんよ。君は君のところに来てくださるお客様に、誠実な親切をこれからも続けてくれればいい」
「はい。ひとりのお客様に、誠実に向きってまいります」
「君のような員さんがこれからのを支えていくれる。
そうえば、が来るのが楽しみで仕方ないよ」
「会、まだまだご活躍ください。私たちがしっかり学ばせていただきますから」
穏やかなの午、希は今も目ののお客様ひとりに、変わらず誠実に接していた。