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"底辺受付嬢を見下す役員たちの誤算" 第13話

末まで自分のスパイとして働かせようとしているのだ。

そうなことをさせる必はない。

ただ私のそばで見張り、向を報告させるだけでいい。

私がここ数伊藤と会っていたことも、彼女は報告したのだろうか。

皮が粟ったが、顔には切さなかった。

私は彼女のをした。

ちがる。

「あやちゃん聞いて」

私は毅然と言った。

「斎藤があなたにさせたことは、すでに産業スパイという犯罪に触れているわ」

彼女は青ざめた。

「でも、まだ助かるはある」

私は彼女を見つめた。

「もしあなたが斎藤の指示の全てを私に話してくれるなら、あなたとご族の全は私が必ず保証する」

あやは涙に濡れた目をげた。

唇を震わせた。

「斎藤副会は、もし誰かに喋ったら弟を刑務所からられないようにするって言ったわ」

私は確認した。

「弟さんは今どこにいるの?」

彼女は答えた。

「静岡の拘置所よ。喧嘩と窃盗で8ヶの判決を受けてるわ」

私は携帯を取りした。

話をかける。

「本先、調べて欲しいがいます」

私は指示をした。

「静岡の拘置所にいる、林という24歳の男です」

詳細を伝える。

「窃盗と傷害で入っています。調に何かおかしな点がないか確認してください」

話を切った。

あやを見つめる。

「もし弟さんが斎藤の罠にはめられて刑務所に入れられたのなら、そのみは私がらしてあげる」

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あやはドスンと私のに膝をついた。

声をげて泣き崩れた。

私は腰を屈めた。

彼女をたせる。

ソファに座らせた。

彼女はしばらく泣き続けた。

ようやく落ち着きを取り戻した。

途切れ途切れに、全てを打ちけてくれた。

類の写真撮以にも、彼女は2ヶ、斎藤の指示でにいた渡辺ゆりに封筒を転送したそうだ。

は見ていないという。

しかし封筒には、ケイマン諸島の法律事務所のロゴが印刷されていた。

その法律事務所こそ、伊藤が突き止めたダミー会社の登記所だ。

私は必な報をに入れた。

しかし、はしも軽くなかった。

林あやは、私がこの会社でただを許した相だった。

彼女のしたことは許せないが、完全に敵として扱うこともできない。

彼女は自らんで私を裏切ったのではない。

みを握られ、追い詰められてここまで来てしまったのだ。

帰る、私は振り返って彼女に言った。

「あやちゃん、今から斎藤に言われたことは今まで通りにやりなさい」

私は指示した。

「私がどこへき、誰と会ったか、今まで通り報告して」

私はを押した。

「でも1つだけ約束して。あなたが彼に伝えるのは、全て私が彼にって欲しい報だけよ」

あやは力く頷いた。

目に涙は残っていた。

しかしその瞳は、先ほどよりもずっといを宿していた。

アパートに戻った。

私はパソコンをいた。

あやが言っていたケイマン諸島の法律事務所の名を、検索欄に入力する。

画面がった。

検索結果がずらりと並んだ。

1つ1つ確認していく。

数ページ目にある登記記録に目が止まった。

その法律事務所は、7に『ハヤシ』という族の遺産信託を設していた。

委託者は林総太郎。

そして受益者には2つの名がある。

1つは桜。

もう1つは父親自だった。

私の指がキーボードので止まった。

父はあの、この法律事務所を通じて族信託を設していた。

しかし私は、その信託から1円とも受け取っていない。

もし父が私に残してくれたものなら、そのおはどこへ消えたのだろう。

なぜ私が遺産を受け継いだ、軒とわずかな預しか残されていなかったのか。

画面の見慣れた名を見つめる。

臓が肋骨を突き破るかのように激しく脈打った。

私は携帯を取りした。

本先に話をかける。

「本先、父はケイマン諸島で族信託を設していましたね」

話の向こうでい沈黙が続いた。

波が切れたのかとうほどく経った。

やがて、かすれた声が聞こえた。

「どうしてそれをっているんだ?」

私は答えた。

「法律事務所の名を見つけました」

そして尋ねた。

「信託のおは今どこにあるんですか?」

本先はいため息をついた。

「あの資は、君のお父さんがくなるにすでに誰かに移されていたんだ」

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