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"底辺受付嬢を見下す役員たちの誤算" 第12話

エレベーターがへ向かう。

階数の数字がカウントダウンのように減っていく。

末の役員会まで、あと13。

ハルトのマンションをた、私はそのまま林あやのへ向かった。

彼女は古い団の6階にんでいる。

エレベーターはない。

階段を登っていく。

廊のセンサーライトが半分壊れていた。

私の境のように、チカチカと点滅していた。

彼女ののドアのにった。

呼吸をする。

それから3回ノックした。

ドアがいた。

ピンクの部着姿だ。

髪を緩く結んでいる。

にはべかけのスイカを持っている。

私を見ると彼女は瞬驚いた。

すぐに笑顔を見せた。

「桜さん、どうしたの?く入って」

彼女は体を横にずらした。

いつもの湯で会うと同じように、烈に迎えてくれた。

私はに入った。

さなリビングを見渡した。

ソファの横にはダンボール箱がいくつか積まれている。

テレビ台には両親との写真が飾られている。

全てがごく普通の常の景だった。

私の疑いが単なるい過ごしだったのではないかと錯覚しそうだった。

あやは私にをした。

向かいに座って首を傾げた。

「顔が悪いわよ。最疲れすぎてるんじゃない?」

彼女は気遣うように言った。

「副社に昇したって聞いたわ。まだお祝い言ってなかったわね」

私はコップを持ったまままなかった。

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彼女の言葉にも相槌を打たなかった。

ただ、彼女をじっと見つめた。

「あやちゃん、あなたの座に毎振り込まれているあの100万円は、誰からのものなの?」

彼女のからスイカが滑り落ちた。

で真っ赤に砕け散る。

果汁がスリッパにび散ったが、彼女は拾おうともしない。

全がソファに縫い付けられたように直している。

唇はわずかにいている。

見えない誰かに首を絞められているかのようだった。

苦しい沈黙が私たちのに広がった。

固まりかけのセメントのようにくのしかかる。

私は彼女を見つめた。

をくのを待った。

1秒、2秒、3秒。

やがて彼女の目が赤くなった。

かすれた声が漏れた。

「全部、ってたのね」

私は何も答えなかった。

彼女は俯いた。

両での裾をく握りしめた。

いが経った。

苦しそうにをいた。

「弟なの」

彼女はポツリと言った。

「ギャンブルで借を作って、取りてがにまで押しかけてきた」

彼女の声は震えていた。

「お母さんは追い詰められて、危うくびりるところだったわ」

彼女は顔をげた。

「その、斎藤副会が私を探し当てたの」

彼女は涙を堪えていた。

「毎しだけ伝いをしてくれれば、弟の借を肩代わりしてやるって」

私は静かに尋ねた。

「何をさせられていたの?」

彼女は線を落とした。

「最初はあなたが普段誰と接触しているか、退社にどこへっているか報告するだけだった」

彼女は目をげ、ついに涙をこぼした。

「でもその、あなたのオフィスの類を写真に撮って送れって言われたの」

彼女は必に訴えた。

「その類が何なのか、私には本当に分からなかった」

彼女は首を振った。

「桜さん、信じて。私はただの受付よ。そんな難しいこと何もわからないわ」

私は静に聞いた。

「類の写真を撮り始めたのはいつから?」

私の声は穏やかだった。

しかし、コップを握る指はくなっていた。

「体1半」

彼女は答えた。

「斎藤副会はこれを続ければ、末には私を受付主任に昇させると言ったわ」

彼女は自嘲気に笑った。

「その、本当に昇した」

彼女はまた泣きした。

「いけないことだってわかってた。でも弟の借がまだ残っていて、どうしようもなかったの」

彼女は私を見た。

「桜さん、あなたを陥れようなんて度もったことはないわ。ずっと友達だとってた」

私はコップを置いた。

ちがった。

彼女のにしゃがみ込む。

そして彼女の氷のようにたいを握った。

「あやちゃん、その借、斎藤は全部返してくれたの?」

彼女はハッとして首を横に振った。

「部分は返してくれたけど、まだ最の分が残ってる」

彼女はいしたように言った。

「末の役員会が終わったら払うって言われたの」

私のが沈んだ。

斎藤はそので林あやを縛り付けている。

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