"実家のオンボロ工場を笑った次期社長を54階へ案内した" 第10話
真実とそれぞれの結末
「こんなにきな会社を親がやってるのに、来るつもりがなかっただと?そんなことあるのか?」
元はまだ信じられない様子だ。
「俺が番辛いに、おのお父さんが会社に誘ってくれたからな。その恩があるのに、実の父さんがきな会社をやってるらしいのでそっちにきます、とはならないだろう」
私は胸を張って答えた。
「でも、もうおが社やってるし、無実の罪を着せようとしてくるから転職を決めたんだよ」
「その話だと、父さんがおを会社に誘ったは、まだこの会社のことはらなかったってことだよな。おはいつ、お父さんと再会したんだ?」
「おばあちゃんの周忌のだな」
私は過をいしながら答えた。
「父さんはおじいちゃんとおばあちゃんの葬儀に来なくて、俺はってったけど、本当はそうじゃなくて、単純に葬儀のことをらなかったんだ。づてにのことを聞いて、実にんで帰ってきたんだよ。あのは仏壇ので泣きしたよな」
私が父に線を向けると、父はバツが悪そうに咳払いをした。
「恥ずかしいことを言うな」
「いいじゃん。派だとうよ」
私は笑って続けた。
「父さんは会社をきくして、懸命に働き続けたおじいちゃんとおばあちゃんに楽な老を送らせてあげようとしてたんだろう。
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このはまだ会社がそれほどきくなくて、全然にわなかったけどな。に気持ちは届いているとうよ。おじいちゃんのも買い戻したからね」
「親戚のおじさんが引退して、おじいちゃんのがらないのに渡ったのが嫌だったんだろう?」
私が父に尋ねると、父は誤魔化すようにを振った。
「だから、それはプレハブを作る技術が今のために欲しくてだな」
「はいはい。そういうことにしとくわ」
これで元の疑問は通り解決しただろう。父がをる際に私を連れてこうとして、祖父に「子供に今以の苦労をさせる気か」と言われて喧嘩になった話もあるが、これは私がちょっと恥ずかしくじるので言わないことにした。
「そうか……。おがこんなにきな会社の専務になるのか。ゆくゆくは社か。これはいい」
疑問が解決した元は、急に表がるくなり、ニヤニヤと笑い始めた。どうやらまた変な考えを起こしているようだ。
「田。俺たちは幼馴染みだよな。友達だよな?」
元はすり寄るように私にづいてきた。
「だったら、俺の会社に仕事を回してくれるよな。これだけきな会社だ。きい仕事を期待してるぞ」
私は呆れて言葉を失った。私と元は、いつ友達になったのだろうか。呆れて物が言えないとはこのことだ。
その、私のスマホにメッセージの着信音が入った。私は画面に目を落とした。
「ちょっと失礼して」
私はメッセージに目を通した。それは待ち望んでいたメッセージだった。先ほどがいいタイミングでにてきてくれたように、信じられないほどいいタイミングで届いたものだ。まるで運転していて信号に回もかからずに目に着いたように。
私はスマホをしまい、元を真っ直ぐに見据えた。
「悪いけど、おに仕事を渡すことはできなさそうだ」
「そうかそうか。お、きい会社の偉いになるからって、俺たちをそうやって見すのか。嫌なやつだなあ」
元はわざとらしくため息をついた。
「そう言って罪悪を煽ろうとしてるのかもしれないけど、そんなことしても無駄だぞ。俺は悪で言ってるんじゃなくて、きっとおは社じゃなくなるから言ってるんだ」
「は?お何を言ってるんだ?」
元が眉をひそめた。
「会が調査が済んだってさ。俺のの潔は証されたそうだ」
「あ、会……父さんが調査をしてたのか?」
元の顔から血の気が引いた。
「ああ。おは俺の着の調査をしたけど、その内容が信じられなかったらしくてな。独自に調査をめてくれてたんだ」
私は加賀さんの方に線を移した。
「やっぱり、加賀さんが俺の資料をいじってたんだな。
ソフトでは最終更者しか確認できないけど、コマンドからはそれ以の更者も確認できるらしい。それで、俺が資料を作ってから会議までのに、加賀さんがファイルの更をしてることが分かったそうだ」
加賀さんはビクッと肩を震わせた。
「そ、そういえば、違ってファイルをいて焦って文字を打ち込んだかも……。もちろんすぐに戻しましたよ!だからファイルは更したけど、数字は変えてません!」
加賀さんが必に言い訳をする。
「残だけど、加賀さんが数字を変えたことも確認済みだ」
私は容赦無く言葉を続けた。
「コマンド操作で簡単にファイルの更者は確認できるから、実は加賀さんが犯ってことは、あの会議の数には分かってたんだ。ファイルの更を見るに、加賀さんは会議のの朝に、俺が勤してくるに数字を変えて、すり替え用の資料を印刷して数字を元に戻したんだろう。その印刷をしているに、バックアップを取るを跨いだんだ」
私は腕を組んで加賀さんを見つめた。
「週以内ならサーバーのバックアップで状態を復元できる。だからそのに、パソコンの状態を復元してファイルの内容を確認したんだ。きっちり、あのの資料の数字になっていたそうだ」
「会議から数で私が犯って分かったなら、どうしてそれからヶくも放置してたのよ!」
加賀さんが逆して叫んだ。
「それは、別の事件の能性がてきたからだ」
私はたい線を彼女に向けた。
「加賀さん、あなたは俺に着の濡れを着せるついでに、本当に自分で着してたね。会が架空請求の痕跡を見つけたってさ。その調査があったから今まで黙ってたんだよ」
「えっ……」
加賀さんは膝から崩れ落ちた。
「お、それマジかよ。それはシャレにならないだろ」
元が震えながらずさりする。
「元、おも似たようなもんだぞ」
私は彼に向き直った。
「おは加賀さんに指示をして俺に着の罪を着せようとしたんだ。おはちょっとげさな嘘をついたくらいの覚かもしれないけど、に処分を受けさせる目で虚偽の申告をしたら『虚偽告訴罪』になる。ヶ以以の懲役になる、ちゃんとした犯罪だ」
「俺も、犯罪者になるのか……」
元はへなへなとに座り込んだ。
説を終えたところで、私のスマホに再びメッセージが入った。本当に今は何かとタイミングのいいだ。
「ビルの表にお迎えが来たみたいだぞ」
私が窓のを見ろしながら言うと、元たちは絶望な顔をした。
「ちょうど回りしていた営業がくにあったらしい。会が、今からおらに話を聞くそうだ」
「終わったわ……」
加賀さんがを抱える。元たちは完全に顔面蒼だ。
自分たちの将来を像したのだろう。今更悔しても遅い。
私は顔の青い彼らを、ビルのまでお見送りした。
その、加賀さんたち取り巻きは横領の罪で捕まった。主犯は加賀さんだったが、横領したおは取り巻きたちでみ代に使ったり分けたりしていたらしい。また元も、虚偽告訴罪で逮捕された。
彼らにはそれぞれ執猶予がついた。ただ罪となったことで、取り巻きたちは会社をクビとなり、元も社を解任されて、会によって会社を完全に追いされることになった。
私は会に調査を頼んではいない。調査は会が自分で始めたことだ。どうやら会は、内であっても悪いことは悪いとすっぱり判断する、正義のいだったようだ。
私は現、父の会社に入り、専務として祖父ののて直しに関する仕事をしている。
デスクでの図面を見ながら仕事をしていると、ふとろから声が聞こえるような気がする。祖父が「そうではない、こうではない」と横からししているような気がしてくるのだ。また、祖母が「好きにさせてやりなさい」と祖父を注しているような気もする。
まるで、祖父母のいる実に帰ってきたような温かい気分だ。
また、元がいなくなったので、私はの建材メーカーとも正式に取引を始めた。
これも、私を拾ってくれた会への恩返しのつもりだ。
父の会社には入ったばかりで、まだまだ覚えることは積みだ。しかし、いつか父から派に会社を継ぐために、私は今も努力を惜しまない。
私はパソコンのモニターを見つめ、静かに決をたにして