"実家のオンボロ工場を笑った次期社長を54階へ案内した" 第9話
54階の社
また分ほどをらせて、駅のビジネスへと向かう。
私が運転するが、駅のすぐそばにつ巨な層オフィスビルにづいていくと、部座席がざわつき始めた。
そして、私がその階建てのビルの駐に入ったところで、彼らは本格に焦りした。
「おいおい、このビルは駅でも番きなビルだぞ。ここの駐に勝にめるつもりか!」
元がの座席を掴んで声を荒らげた。
「勝じゃないから丈夫ですよ」
私は落ち着いて答え、窓をけて駐のゲートの械にカードを通した。ピッという音とともにゲートがく。
元たちは状況が読めず、に疑問符を浮かべて互いの顔を見わせている。をめると、私は彼らを促した。
「こっちです」
私は彼らをロビーのエレベーターへと案内した。理張りの豪華なエレベーターホールに、彼らは完全に気圧されているようだった。
エレベーターに乗り込み、私が階数ボタンを押すと、元が再び声をげた。
「おい、どこまでがるんだ?階を超えたぞ」
階数表示の数字がものすごいスピードでがっていく。
「階まできますよ」
私が答えると、元は絶句した。
「階……」
ここまで来れば、さすがに状況を察したようだ。元や加賀さんたちの表には、らかな焦りと揺が見え始めている。
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そんな彼らの焦りを無して、エレベーターが階に到着すると、私はなカーペットが敷かれた廊を社へと直線に向かった。
「父さん、いる?入るよ」
私はノックもそこそこに、慮なく社のなドアをけた。
「え?」
「父さん?」
背で元たちが息を呑むのがわかった。
広々とした社の央、級な革張りの社の子に座っていたのは、紛れもなく私の実の父だった。
「浩か。どうしたんだ?」
父は類から顔をげ、私を見た。
「元がを見たいって言ったから連れてってたんだ。これからこれ、さんから図面を預かってきた」
私は封筒を父のデスクに置いた。
「おお、悪いな」
父は図面を受け取ると、線を元たちに向けた。
「あなたが元君。うちの浩がいこと世話になったな」
父が威厳のある声で挨拶すると、元はパニックに陥ったようにずさりした。
「え、あの、えっと……」
元は次々とに入ってくる報を理できず、完全に混乱しているようだ。彼が理解できないのも無理はないとうので、私は彼の疑問をつずつ解決していってあげることにした。
私は元のにち、ゆっくりと話し始めた。
「ここに俺の父さんがいるのが議か。そりゃあそうだろう。おの認識では、俺の父さんは学のにいなくなったんだしな」
元はコクコクと頷いた。
「そうなんだ。おじいちゃんと喧嘩別れしてからてったんだ。その、父さんはワークブースをメインに作る会社をちげたんだよ」
私は部の端にある自社製品のカタログを指差した。
「さいものだと、ネットカフェにある子と机とパソコンだけがあるブースみたいなもので、きいものだとテーブルと子がつかつくらい入るようなボックスタイプのものもある。そのボックスタイプを作る技術を応用して、さい防音を作ったりもしてるんだ。まあ、にも細々としたものを々作ってるよ」
私は父の方を振り返り、誇らしげに言った。
「父さんはほどかけて、この層オフィスビルを借りられるほど会社をきくしたんだ」
元は信じられないという顔で周囲を見渡した。
「マジかよ。ここはワンフロアに千百万くらいするんだろ」
「そうだな」
私は頷いた。
「ちなみに、このの階も借りてるから、賃はに千万だな」
「賃に千万!?」
加賀さんが鳴のような声をげた。
「そんなきな会社に、おが専務として入るのか?」
元が震える声で尋ねる。
「そうだ。しばらく父さんの元で積みと仕事の引き継ぎをさせてもらう。ゆくゆくはこの会社を継ぐことになってる。それで最初の仕事が、おじいちゃんののて直しだ」
私がそう言うと、元はハッとした。
「まさか、を売った親戚は……お父さんだったのか?」
「違う、違う。は父さんが買い直したんだよ。プレハブを作る技術が、ワークブースを作ることに応用が効くからな」
私は呆れたように首を振った。
「こんなきな会社の社が、数の積みでりるわけないだろう。だから俺は、の会社の経営企画部にいたんだよ。おのお父さんは、いつか俺が父さんの会社にくとって、しでも経営を学べるように営業から経営企画部に移してくれたんだ」
「このこと、父さんもってたのか!?何も聞いてないぞ。おもなんで黙ってたんだよ」
元がってかかる。
「おが俺と仲のいいふりをしてたから、ってるものだとってたんじゃないか?俺が言わなかったのは、父さんの会社にくつもりがなかったからだ。でもおからの嫌がらせでこっちに来ることに決めたには、言おうとしたぞ。でもおらが勝に盛りがって俺の話を聞かなかったんだよな」
私はややかに言い放った。