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"実家のオンボロ工場を笑った次期社長を54階へ案内した" 第4話

恩との会いと会社の成

私は引きしを閉め、過の記憶から識を現のオフィスに戻した。

の経営状況は厳しいままだったが、なんとか活はできていた。を卒業すると、祖父母は教育ローンを活用して、私を学にもかせてくれた。貧乏でも両親がいなくても、私には優しい祖父母がいたおかげで、分に幸せな活を送ることができていた。

しかし、そんな平凡な幸せは、私が学に入ってし経った頃に唐突に終わりを迎える。

私は祖母からの話を受け、病院の廊をっていた。しかし、にわなかった。祖父が界し、それからを追うようにに祖母も界した。

両親がいない私は、学で完全にぼっちとなってしまった。私は空っぽになった実の居で、たい畳を見つめていた。の経営など、学の私にできるわけがない。そのためは、祖父母と緒に働いていた親戚のおじさんに売却することになった。

また、祖父母は活が厳しい、いくらかのおも私に残してくれていた。を売ったおと祖父母が残してくれたおで、教育ローンは括返済しても学卒業までの活費としては分な額が残った。無事学に通えることにはホッとしたのだが、それだけで胸にぽっかりいた喪失の穴は埋まらなかった。

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祖父母の葬儀の、私は喪を着て参列者を迎えていた。祖父母と親交があった元のお父さんは、の葬儀にわざわざ顔をしてくれた。この、実の父はの葬儀に顔をさなかったので、私は父のことをひどくだとってしまった。

葬儀が終わると、元のお父さんは柔らかい笑顔を浮かべながら私にづいてきた。

「田君は、うちの息子と同いだから、学だろ。これから就活が始まるんじゃないのか」

私はをげて答えた。

「そうですね」

「あので働くのか?今も親戚がやってるんだろう」

「いえ、あので働く気はありません」

私は首を横に振った。すると元のお父さんは、し真剣な顔つきになった。

「そうなのか。でも今の状態では、就活にが入らないだろう」

彼は私の肩にを置き、温かい声で言った。

「どうだ?うちに来るか?」

私は驚いて顔をげた。

「いいんですか?」

「田君は学のからの仕事を伝ってたんだろう。そこらの卒よりも、社会や仕事の厳しさを理解してる。事業内容も似てるといえば似てるし、きる識と経験もあるだろう。うちとしては、非とも欲しい材なんだよ」

この、元のお父さんは彼のおじいさんから会社を継いで、既に社となっていた。私は社から直接直々にスカウトを受けたことになる。

元の会社は祖父のやっていた会社よりもずっときい。規模で言えば堅で、当はまさにり調子だった。涯孤独になり、将来にを抱えていた今の状況で断る理由は何もない。私はくをげた。

「ありがとうございます。よろしくお願いします」

私は就活を始めるに就職先が決まった。そして学を卒業すると、今の会社に入社した。最初は営業部に配属された。

働き始めは苦しくて辛くてどうしようもなかった。ももわからずミスばかりしていたに、私を拾ってくれた社に恩を返すべく、私はがむしゃらに懸命に働いた。

「田、お働きすぎだ!今はもう帰れ!」

当の営業部の部から鳴られ、無理やり仕事を断させられてよく帰らされたものだ。私は苦笑しながらをげ、オフィスをにした記憶が鮮に残っている。

その頃、社内には社の息子である元の姿はなかった。彼は学に入ったに都会の方で暮らしを始め、そっちで就職したらしい。就職先はなかなかきい企業だったようだ。

私たちの元は発がんできていて、それなりに賑わってきている。駅はしくなってその周りにはビジネスビルができ、が増えてきたことで商業施設や宅も増えてきている。駅のくにはきなオフィスビルが建てられる計画もんでいるようだ。

しかし元は、ちょっとした方都よりも、都会でエリートとして仕事をするのがお望みだったのだろう。彼がいない会社は、私にとって何とも平だった。

だが、入社からが経つと状況が気に変わってしまう。

会社は随分ときくなり、ビジネスにあるテナントビルの階から階までを借りるほどになっていた。も増え、支社もできた。企業の歩といったところだろう。私も会社と同様に成し、営業部から経営企画部に異して、部を務めさせてもらっている。何もかもが順調だった。

そんな、元がに勤めていた会社を辞めて、うちの会社にやってきたのだ。社が半ばでそろそろ引退を考えているので、彼に会社を継いでもらうために呼び戻したらしい。これからは社のについて、数かけて社になるための積みと引き継ぎをするそうだ。

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