"従妹に貸した部屋が、半年で40回又貸しされていた" 第4話
ガス作業員の記憶と崩れる提
翌朝、私は勤に、いたノートのページをもう度いた。
『キーボックスがあったらしい』という事実だけでは、まだ誰が、何のためにそれを使ったのかはわからない。
ただ、ガス会社の作業員は、事の業者や族同士の鍵の共でも使われるものだと話していた。
私はまず、普通に説できる能性から、1つずつ確かめて潰していくことにした。
昼休みになってから、私はスマートフォンを持ち、会社の空き部へ移した。
そして、昨名刺をもらっていたガス会社の営業所へ話をかけた。
話にた担当者に、「昨の定期確認で来てもらった作業員の方の話について、し確認したいことがある」と伝えた。
受付の担当者は、「作業員個の確かな記憶を、会社として公式に保証することはできない」と置きをした。
そので、「お客様からの連絡希望があった旨を、本へ伝えることならできる」と言われた。
「それで分です」と私は答えた。
私がりたかったのは、公式な証ではなく、作業員が実際に自分の目で見た範囲の記憶だけだった。
午の仕事が終わるし、私のスマートフォンにらない番号から着信があった。
休憩になってから折り返すと、話にたのは昨の作業員の男性だった。
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私はを取らせたことに礼を言い、質問を1つだけに絞った。
「昨のキーボックスの件ですが、箱が設置されていたこと以に、何か具体に覚えていることはありますか?」
男性は、話の向こうでしばらく考えてから答えた。
「はっきりと覚えている範囲でよければ。……箱を見たのは、度だけじゃないです」
私は黙って、彼の言葉の続きを待った。
「別の用件でこの階へ来た、あの箱をけて、から鍵をしているを何回か見ています」
私は元にいていたノートをペンでく押さえた。
「それは、同じでしたか?」
「そこまでは言い切れません」
男性は、推測を交えないよう慎に答えた。
「でも、なくとも毎回同じ物には見えませんでした。男性のもありましたし、女性のもあったといます」
私は息をく吸い込み、えてから尋ねた。
「さや、という若い女性をっていますか?」
「いえ、居者の名まではじげません」
その答えを聞いて、私はそれ以の質問を止めた。
相の記憶を、私の都のいい推測へ誘導してはいけないとったからだ。
話を切った、私は急いでノートに箇条きでき込んだ。
『作業員は、暗証番号式の箱から鍵をすを複数回見た』
『同じ物だったとは断定できない』
『男性と女性の両方を見た記憶がある』
『それ以の個の特定はできない』
わかったのはこの4つだけだ。
それでも、昨までとは状況が決定に違っていた。
キーボックスは、ただに設置されていたわけではない能性がくなった。
さや以の「誰か」が、実際に暗証番号を使って鍵を取りしていたのだ。
仕事を終えた私は、そのでマンションの管理会社へ話をした。
「自分が所する部のことでお尋ねします。この半のに、内事や設備の修理が入った記録はありますか?」
担当者はシステムで契約報を確認し、私が部の所者本であることを確かめた。
それから、記録に残っている作業履歴を調べてくれた。
「こちらで配した内事の履歴はありませんね」
担当者はそう確に答えた。
「共用設備の定期点検などはありますが、管理会社が内の鍵を預かって入するような作業はっていません」
私は、玄関脇にキーボックスらしいものがつけられていた跡があったと説した。
「管理会社の方で、業者用にキーボックスを取り付けた記録はありますか?」
「ありません」
返事ははっきりとしていた。
「なくとも、こちらが事や清掃のために設置したものではありません」
私はもう1つだけ聞いた。
「半の、私の部について、隣からの苦や何らかの連絡はありませんでしたか?」
担当者は再び記録を確認してから、「記録は切ありません」と答えた。
の入りについても、「個別ののを24監しているわけではないため、わからない」とのことだった。
それは当然の回答だとった。
私は礼を言い、話を切った。
これで、事や点検のためににキーボックスが設置された能性はほぼ消えた。
残る能性は、さや自が自分で使っていたか、あるいは『誰かと鍵を共していた』という能性だけだ。
私は帰宅するので、吊り革に掴まりながら、さやに何と切りすか考えた。
「キーボックス」という具体な言葉は、まださないことにした。
先に、「第者に部を使わせたことがあるか」をストレートに聞こうとったのだ。
さやが自分から、事実をどこまで正直に話すのかを確かめたかったからだ。
帰宅、私はスマートフォンをテーブルに伏せて置き、しばらく卓の子に座っていた。
ここでさやを問い詰めれば、ただの「違」だったものが、確な「親族のトラブル」になるかもしれない。
もし母にられれば、「試験で神経質になっているのだから、目に見なさい」と言われる能性も分にあった。
それでも、所者である私が確認しないまま放置する方が、になって取り返しのつかないきな問題になるような気がした。
私は母にはまだ連絡せず、自分1でさやに聞くと決した。
夜8を過ぎてから、私はさやへ話をかけた。
呼びし音はく、さやはすぐにた。
「皆ちゃん、どうしたの?」
声は普段と変わらず、落ち着いていた。
私は回しな挨拶をせず、単刀直入に聞いた。
「確認したいんだけど。この半のに、あの部を誰かに使わせたこと、ある?」
話の向こうが、急に静かになった。
回の話で「基本は1だった」という返事を引きしている以、今回の質問には逃げがないはずだ。
「使わせたって、どういう?」
さやが、し声のトーンを落として聞き返してきた。
「私が許していないが、部に入ったことがあるかどうかってこと」
私は静に答えた。
また、しが空いた。
「……友達が、ちょっと使っただけ」
さやは、ためらいがちにそう言った。
私はノートに、その言葉をそのままき留めた。
「使ったって、遊びに来たの? それとも泊まったことはある?」
「泊まったことは、あるよ」
さやは認めた。
「さやも緒にいたの?」
今度は、返事がし遅れた。
「……緒じゃないも、あった」
その言葉を聞いた瞬、私ので「半の約束」が初めて具体に崩れ落ちた。
私は部を貸す、「へは貸さないでほしい」と確に条件を伝えていた。
さやもその条件を受け入れていたはずだ。
「何回?」
私がく聞くと、さやは話でさく息を吐いた。
「そんなにくないよ。……何回かは、覚えてない」
私はそこで、それ以の追及を止めた。
声を荒げて鳴ったところで、回数が正確になるわけではない。
ただ、1つだけ事実を確認した。
「私に何も言わずに、さやがいないも、友達を泊めたんだね?」
「でも、ってる子だけだから!」
さやの声が、自己弁護するようにしくなった。
私は返事を急がなかった。
相がっているかどうかは関係ない。私が決めた条件を破ったかどうかが問題なのだ。
「今は、わかった」
私は静かにそう言った。
「また確認したいことがあったら連絡するね」
「皆ちゃん、ってる?」
さやがそうに聞いてきた。
「今は、何があったのか事実を確認してるだけ」
私はそれだけを答え、通話を切った。
話を切った、私は刻と会話の点をノートへ残した。
『部には基本に1だった』という最初の証言が、『友達を泊めたことがある』に変わった。
さらに、『さやがいないにも使わせていた』ことがわかった。
まだ、泊まった数も回数もわからない。
キーボックスのについても、さやには直接聞いていない。
それでも、もう1つだけ、元には戻せない確実な事実ができた。
私が半、親族ので預けた部は、さや1のためだけには使われていなかったのだ。