"元義母の誤爆着信と暴かれた花婿の嘘" 第8話
特許の引き
コンコン、と病のドアがノックされ、護師が入ってきた。
「さん、お加減はいかがですか? 痛み止めの点滴、追加しましょうか」
「……いえ、丈夫です。ありがとうございます」
護師がバイタルを測り、静かに部をていく。
再びきりになった病で、俺はふと、昨夜から作業着のポケットに入れっぱなしにしていたものをいした。
ベッドサイドの棚に置かれた私物のから、ボストンバッグを引き寄せる。
から取りしたのは、型のノートパソコンと――あの特許願類の子データが入ったUSBメモリーだった。
「……そうだ。特許だ」
俺が血の滲むようないで組みげた、あの品質管理の革技術。
類の作成はすべて完し、弁理士の最終確認も終わっていた。あとは特許庁の子願システムにログインし、送信ボタンを押すだけの状態になっていたのだ。
俺はパソコンをちげ、病の無料Wi-Fiに接続した。
特許庁のオンライン願ソフトを起する。
画面に並ぶ、発の名称:『変量系列解析に基づくリアルタイム製造プロセス補正システム及び品質管理方法』。
願:誠。
発者:誠。
会社の名は、どこにもない。
俺が自腹を切り、俺のを使って発した、正真正銘の俺だけのだ。
マウスのカーソルを、『願実』のボタンへとわせる。
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カチリ。
確かなクリック音が、静かな病に響いた。
データの送信を示すプログレスバーが伸びていき、数秒、画面に緑の文字が表示された。
【願類の受領を完いたしました。願番号:特願202X-XXXXXX】
直、登録していた個メールアドレスに、特許庁からの正式な受理通メールが着信した。
「……終わった」
俺はく息を吐きし、ベッドの背もたれに体を預けた。
これで、この技術のすべての権利は、法に完全に俺個のものとなった。
瑞穂製作所には、この技術に対するいかなる権利も、使用権もしない。
病のの窓から、朝のが力く差し込んできた。
の苦闘の々が、馬灯のようにを駆け巡る。
誰にも褒められず、誰にも認められなかった努力。
だが、あの理尽な環境があったからこそ、俺は誰にも頼らず、自分の力だけで技術を研ぎ澄ますことができたのだ。
俺のには、まだ痛みが残っている。
だが、その痛みは、理尽に踏みにじられた傷跡ではない。
しいへと踏みすための、誇りき技術者の再の証のようにえた。
「さあ……どうなるか見てみろ、川部」
俺はたい笑みを浮かべ、静かにパソコンを閉じた。