"雑用係の逆襲――百億の商談と偽りの女社長" 第8話
伝説のプログラマーの誕
MITの学院に籍、俺は好奇を満たすための「さなアルバイト」を始めた。
それは、度化する国際なサイバー犯罪から企業や公関を守る、いわゆる「ホワイトハッカー」としての活だった。
当、世界の名だたる国籍企業や融関は、国レベルの支援を受けた度サイバー攻撃集団の猛威に晒されていた。既のセキュリティソフトなど屑のように突破され、莫な密報や顧客資産が盗みされていたのだ。
俺は遊び半分で、その攻撃パケットの解析を始めた。
敵が送り込んでくる悪のコードは、複雑に入り組んだ迷宮のようだった。だが、ハロルドに叩き込まれたアルゴリズムの美識と、独自の数学アプローチを適用すると、その構造は驚くほどに解きほぐれていった。
「醜いコードだな。無駄がすぎる」
俺は敵の侵入経を瞬に特定し、逆探を仕掛け、彼らが仕掛けた正プログラムを無力化する極・最速のカウンターコードを組みげた。
それは、脅威をリアルタイムで検し、侵入と同に自駆除と自己修復を完させる、まさに芸術な防壁システムだった。
度俺が介入したシステムは、世界最のクラッカー集団が束になって挑んでも、蟻匹通さない鉄壁の塞へと変貌した。
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いつしか、裏社会とセキュリティ業界の双方で、俺のハンドルネームは畏怖とともに囁かれるようになった。
――『ミスター・モリティー』。
彼が度コードをけば、そのシステムは侵の聖域となる。名だたるメガIT企業の役たちが、巨額の報酬を用して彼の協力を仰ぎたがった。今回商談に訪れた英国のCEOチャールズもまた、数に自社の基幹システムが未曾のランサムウェア攻撃に晒された際、俺に救われたクライアントのだったのだ。
仕事があまりに面く、次々とい込む難題の解決にしていたため、俺はMITを修するのにもの歳を費やしてしまった。卒業もアメリカに残り、世界を股にかけるセキュリティコンサルタントとして悠々自適の活を送っていた。
しかし、そんなある、本の国際話が俺の運命をきく変えた。
母が、旅先の異国で倒れたという報せだった。
何もの、自由奔放な父の背を追いかけて世界を旅し続けてきた母だったが、齢になり、らずらずのうちに体を酷使していたのだ。命は取り留めたものの、医師からは旅を禁じられ、母は々しい声で「本へ帰りたい」と漏らした。
だが、父には発掘の佳境を迎えた国規模のプロジェクトがあり、どうしても現をれることができなかった。
「、本当にすまない……」
病の廊でをげる父の肩に、俺はそっとを置いた。
「いいよ、父さん。俺が母さんを連れて本へ戻るよ。俺の仕事なら、本にいたってどこでだってできるからさ」
父の考古学へのを奪うことは、父の命を奪うことと同じだとっていた。母もまた、自分のせいで父がを諦めることを何よりも嫌がっていた。
「がいてくれるなら、ねぇ」
子のでさく微笑む母は、俺の記憶のの姿よりもずっとさく、すっかりおばあちゃんになっていた。
こうして俺は、華々しいアメリカのキャリアをあっさりと捨て、母を支えるために数ぶりの帰国を果たしたのだった。