"離婚11日後、私に9億8000万円が当たった" 第25話
名言だからな」
修平は嬉しそうにご祝儀を胸のポケットに切にしまった。
横でそのやり取りを聞いていた母も、おかしそうに肩を揺らして笑っていた。
かつて母は、「族なんだからしは弟に分けてあげなさい」と私を責めた。
しかし今は、私と弟のにある「欲しいことと、もらう権利があることは別だ」というルールをから理解し受け入れている。
族だからと言って、何でも共しなければならないわけではない。
互いの領域を尊しえるからこそ、私たちはこうしてから笑いえるのだ。
10億円というおの魔力は、私たち族の絆を壊すことはできなかった。
温かい拍に包まれながら、修平のさな結婚式は無事におきとなった。
引き物の袋を提げ、私と向は会のホテルのへた。
の柔らかい差しが、私たちの顔を照らしていた。
向が私のを引きながら、弾んだ声で言った。
「おじちゃん、かっこよかったね!」
私はうなずいた。
「そうね。すごく幸せそうだったわ」
私は駐へと歩きながら、これからどこへ向かうべきかを考えていた。
今は母も実へ帰ることになっている。
これまでは、私が母のを訪れるは、必ず事に確認の話を入れていた。
母もまた、私のに来るは、必ず約束を取り付けてから来ていた。
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互いの距を測り直すために、私たちはいをかけて慎に歩み寄ってきた。
しかし今の母の柔らかな笑顔を見て、私はので1つの決断をした。
私がち止まって声をかけた。
「向」
娘は振り返った。
「何?」
私は彼女の目を見た。
「し、おばあちゃんのところに寄って帰ろうか」
向の目がパッとるく輝いた。
「うん!く!」
私はのキーを取りし、ロックを解除した。
助席に向を乗せた。
私は運転席に座ってシートベルトを締めた。
エンジンをかけると、よい振が内に伝わってくる。
実までののりは、で20分ほどだ。
あのたい鉄のので私たちが涙を流してから、3が経っていた。
今なら、あの所で止まっていたを完全にかすことができる気がした。
私はカーナビの目を設定しなかった。
見慣れたへとをめた。
窓をしだけけると、のが内に吹き込んできた。
敵を打ち負かし、誰かから何かを奪い取るような復讐は、私のには必なかった。
自分を見していた者たちは、自らの選択によって切なものを失っていった。
私はただ自分ののにあるものを守り抜き、誰にもけ渡さなかっただけだ。
その結果として、今のこの静かで確かながある。
私はハンドルを握るにしだけ力を込めた。
実のある町へと向かって、アクセルを踏み込んだ。
このの先に待っているのは、もう閉ざされたではない。
修平の結婚式が終わり、私たちはの穏やかな差しのをでっていた。
助席で向は、引き物のお菓子を膝に抱えている。
うとうととを漕いでいる。
私はハンドルを握りながら、静かに流れる景を見つめていた。
向かっているのは私たちの古いではない。
母が1で暮らす、実のある町だった。
これまでは必ず事に話で約束を取り付けてから訪問していた。
しかし今は、自分の直を信じて連絡なしで向かうことに決めた。
私と母のに引かれた境界線は、もう分に能している。
だからこそ、今度は私の方からしだけ歩み寄るが来たのだとった。
やがて見慣れた宅に入った。
実のへとを止めた。
私はエンジンを切った。
シートベルトをしてきく呼吸をした。
私が向を起こした。
娘は目をこすりながら呟いた。
「着いたの?」
彼女はさくあくびをした。
私たちはをりた。
実の敷のにった。
目のにある鉄の扉は、3に私たちが追い返されたとは違っていた。
昔、太い鎖と京錠で固く閉ざされていたそのは、今はいていた。
誰かが訪ねてくるのを拒まないように、しだけ隙をけてを通している。
それでも私は、勝にを押しけて敷へ入ることはしなかった。
かつて母が世体を気にして私を締めした所だ。