"偽りの仕送りと緑の通帳" 第7話
そのくせ、母親に対して面と向かって反論する勇気は爪の先ほども持ちわせていないのだ。
義母に対して過剰な依と恐れを抱きながら、面倒な現実からはすべて目を背け、妻である私に丸投げする。
精神に、この男はまだ親れできていない子どものままなのだ。
(の黒柱としての自覚をしでも持って、私と奈々を守ってほしかったのに……)
そんな切なる願いなど、この夫には輪際届かないのだと痛した。
私は、リビングのテーブルで計簿のノートをき、卓を叩いた。
費、費、通信費、居費、保険料。削れるところはすべて削り、鉛で何度も数字をき直してみる。だが、どう計算を捻じ曲げたところで、毎万円というが浮いてくるはずもなかった。
そんながあるのなら、奈々の将来のために貯したい。しいの着でも買ってやりたい。
何より――あんなに私たちを虫けらのように見し、暴言を吐き散らす義母のために、なぜ私たちが汗垂らして節約したを円たりとも差しさなければならないのか。
(……ダメよ。こんなの、絶対に納得できない)
私はペンを置き、スマートフォンをに取った。
で抱え込んでいても、何の解決にもならない。私はを決して、ある物に連絡を取ることにした。
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男の嫁――義姉の恭子さんだった。
男の庭とがでは、世帯収入も活環境もまるで違うだろう。だが、あの烈な義母から毎万円もの仕送りを求され、実際にそれを面しているという点においては、同じ苦しみを共しているはずだった。
私は恭子さんに『しご相談したいことがあるのですが、おいただけないでしょうか』とメッセージを送った。
すると、驚くほどすぐに恭子さんから返信が届いた。
『真美さん、丈夫? 平の昼ならが取れるから、しお茶でもしましょう』
私たちは、平の昼に隣町のファミリーレストランで落ちう約束を交わしたのだった。
約束の、指定されたファミリーレストランの自ドアをくぐると、内は昼をし過ぎた帯にもかかわらず、隣の主婦層や族連れで賑わっていた。
このは、世界各国の茶葉が揃った充実したドリンクバーと、季節ごとの華やかなケーキバイキングが名で、元でも変な気を集めている所だった。
「真美さん、こっちこっち!」
内の奥、差しが柔らかく差し込む窓際のボックス席から、義姉の恭子さんがさくを振って図をしてくれた。
恭子さんはいつも綺麗にしていて、誰に対しても物腰が柔らかく、親になって話を聞いてくれる優しいだった。
夫の浩などよりも、はるかに信頼できるの先輩だと私は常々じていた。
「お待たせしてしまってすみません、恭子さん」
「ううん、私も今来たとこよ。さ、先にドリンクバーでお茶でも取ってきましょう」
私たちは席に荷物を置き、並んでドリンクバーのコーナーへ向かった。恭子さんは慣れたつきでハーブティーのティーバッグを選び、私は蒸しの緑茶をカップに注ぐ。席に戻る際、員に季節のケーキセットをつ注文した。
テーブルに湯気をてるカップを置き、恭子さんはふうとさく息を吹きかけながら茶を啜った。そして、すまなそうな表を浮かべて私を見つめた。
「真美さん、こののお義母さんのでのこと……本当にごめんなさいね。あんなにギスギスした空気になっちゃって。私、そのにいながら、お義母さんを止めることもできなくて……」
「いいえ、恭子さんが謝ることなんて何つありませんよ」
私は首を横に振って、苦笑いを浮かべた。
「あの面で何か言ったら、お義母さんのりののが恭子さんにまでびしちゃいますから。お気になさらないでください」
その言葉を皮切りに、私たちは自然と義母に対する頃の愚痴を吐きし始めた。
話を聞けば聞くほど、義姉の恭子さんもまた、あの義母にはにわたって凄まじい苦労をいられてきたことが分かった。
恭子さんの夫――つまり男である義兄は、商社の営業職で毎のように夜残業があり、休も接待ゴルフなどでほとんど実には顔をさないのだという。