"完璧な夫に給料を突き返した朝" 第16話
義母がたく言い捨て、ファイルをこうともしない。
「誤魔化せませんよ」
私は微笑みすら浮かべてみせた。
「番に綴じてあるのは、過の、亮介さんの与細の原本と確定申告の控えです。番目は、宅ローンとマイカーローンの返済償還表。番目は、が発した過分の入取引細証。そして最が、亮介名義のクレジットカードの利用細、全ページです」
「な……っ!?」
亮介が弾かれたように顔をげた。 その顔は、もはや気を通り越して、のように青かった。
「と、朋美! お、それ……!」
「亮介さん、あなたが『細かい数字で煩わせるな』と仰るので、お義母さんたちにも分かりやすいよう、グラフと覧表にしておきました」
私は義母のに置かれたファイルにを伸ばし、表をめくった。
「お義母さん、よくご覧になってください。亮介さんの取りは、ここ数、平均して万円です。ボーナスはわせて取り約百万円。見、分な額に見えますよね」
私の指先が、赤い折れ線グラフをなぞる。
「では、毎の固定支の内訳です。マンションのローンが万千円。亮介さんのミニバンのローンが万円。駐代と保険、ガソリン代で万千円。息子の健太の塾代と学費用で万千円。費と通信費で万千円。
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これで、万千円です」
義母の目が、数字を追う。 まだがりを崩そうとはしていないが、その瞳の奥に微かな揺がったのを私は見逃さなかった。
「そして、ここからが変費です。お義母さん、あなたへの毎の仕送りが万円。そして、亮介さんのクレジットカード代。毎のゴルフ代、輩へのご馳代、級ブランドの物代。平均してに万千円です。……さあ、計してください」
私は卓を取りし、カチカチと素く叩いた。
「万千円です」
液晶画面の数字を、義母の先に突きつけた。
「亮介さんの取りは万円。固定費と、亮介さんの個な見栄の費、そしてお義母さんへの仕送りをしただけで、毎千円の赤字です。……お気づきですか? この計算には、族分の費も、用品代も、健太の代も、私の医療費も、円も含まれていません」
静寂が、リビングを覆った。 先ほどまで威勢よく鳴っていた義母の扇子が、膝ので止まっている。
「う……嘘よ。そんなの、嘘に決まってるわ!」
義母がヒステリックに声を張りげた。
「だって、現に活できていたじゃないの! あなた、毎ちゃんとおを払って、健太を私の特訓にかせて、私の仕送りだって度も滞らせたことはなかったわ! 今急にせなくなったのは、あなたが無駄遣いしたからでしょう!?」
「いいえ」
私はたく首を横に振った。 そして、ファイルのページ目をパッといた。
「活できていた理由が、ここにあります」
そこに綴じられていたのは、緑の方の通帳のコピー。 番の付は、。 残の欄には、【3,500,000】と印字されている。
「これは、私が結婚にの会社員活で貯めた、私個の預通帳です」
ページをめくる。 毎、万円、万円、万円。 律儀に引きされ、減っていく数字の列。
「毎の赤字を、私は自分の貯を取り崩して補填し続けてきました。それだけではありません。次をご覧ください」
さらにページをめくる。
「これは、私の実の母が、健太がまれたに『何かあったのために』と私に持たせてくれた贈与の百万円の通帳です。これも、昨、完全に底をつきました」
由里が息を呑んだ。 正の箸が、ピタリと止まる。
「計百万円。私が独代に汗流して稼いだおと、私の母が孫のためにくれたおのすべてを、私はこの、佐藤の『りないプライド』を埋めるために使い果たしました」
私は義母の目を、真っ直ぐに見据えた。
「お義母さん。、ご実のエアコンが壊れた、万円包んで差しげたのを覚えていますか? 、お義父さんの法事で『親戚に恥ずかしくない引き物を』と万円求されたのを覚えていますか? の、お義姉さんの息子さんがに入学した、『叔父のメンツがあるから』と万円のお祝いを包ませたのを覚えていますか?」