"優しい教室で震える息子" 第6話
それなのに、なぜ学の事務は、学が持ち込んだ百円の銭を受け取り、この受領を発し続けたのか。 そしてなぜ、蓮はその屈辱な施しをヶも隠し持っていたのか。
音はまだ止まらない。 今、力づくでドアをこじけて問いただしたところで、パニックを起こした蓮からまともな言葉を引きすことはできないだろう。 子供のは、すでに限界を超えてひび割れている。
私はリビングへ戻り、散らばっていた枚のレシートを枚残らず拾い集めた。 折れ曲がった角を指先で丹に伸ばし、枚ずつ付を確認する。
最初のレシートの付は、。 学期が始まって、ちょうど週が過ぎた頃だった。
なぜなのか。 その、あるいはその直に、体何があったのか。
私はスマートフォンのバンキングアプリをいた。 緑が丘学の費が引き落とされるはずの、方の普通預座。 過の入細を指先でスクロールしていく。
、、、……。
画面を凝していた私の指が、ある点で止まった。
。 『学費 4,400円 振替能』
赤い文字で、さくエラー表示がていた。
臓が嫌なね方をした。 振替能? 残を確認する。そのの残は百万円以あった。
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残であるはずがない。
私は着を掴み、バッグに財布と通帳、そしてあのひまわりの封筒を詰め込んだ。 洗面所のを通る。音は止まり、はんだように静まり返っていた。
「蓮。お母さん、にってくる。分で戻るから。お昼ご飯、テーブルのに置いておくからね」
返事はなかった。 けれど、扉の向こうの気配が、わずかに息を潜めたのが分かった。
私はりでマンションのエレベーターをり、駅のへ向かった。
の窓は、午の混雑がし落ち着いた帯だった。 理券を握りしめ、の効きすぎたロビーで待つも、私のはバッグのの封筒を無識に握りしめていた。
「野様、番窓へどうぞ」
呼ばれてカウンターへ向かい、通帳と分証を差しした。
「の費の自引き落としが、振替能になっているようなんです。残は分にあるはずなんですが、原因を調べていただけますか」
窓の若い女性員は端末を叩き、画面を何度か確認した、申し訳なさそうな顔で顔をげた。
「あ……野様、申し訳ございません。こちら、今の末にお届け印の変更と、キャッシュカードの再発をお続きされていますよね?」 「ええ、磁気良で使えなくなったので」 「その際、座のセキュリティ設定がに更されたのですが、学側の引き落としシステムとの連携で、認証エラーが回だけ発してしまったようです。
の回分だけ、自引き落としが弾かれてしまっていますね」 「エラー……」 「はい。側から学様の方へ、引き落とし能の通が自送信されているはずです。その、分からは正常に再されておりますが……」
員の説を聞きながら、私は呆然と井を見げた。
事務な、あまりにも些細なシステムのエラー。 カードを再発した際の続きのき違い。 そのせいで、分の費千百円が、たった度だけ学に引き落とされなかったのだ。
当然、学側からは「未納のおらせ」とかれた集袋が、蓮を通じてがに届くはずだった。 だが、そんな袋を私は度も見ていない。
蓮が、そのを学で受け取ったのだ。 そして、親に見せることなく、隠した。
なぜ? たった千百円の集袋を、なぜ隠す必があったのか?
をた私のは、自然とある所へ向かっていた。 駅の商を抜け、学とは反対側の閑静な宅。 を基調とした真しい建売宅が並ぶ角に、目指す表札があった。
『浅井』
枚目のレシートにかれていた名。 席番号番、浅井悠君のだ。 母親の浅井織さんとは、PTAの全清掃で度か度、ち話をした程度の面識があった。当たりが柔らかく、いつも品なカーディガンを羽織っている、いわゆる「教育で面倒見の良いお母さん」