"消された母親席" 第15話
現百万円が入った分い封筒を受け取りながら、剛は最のお達しのように支配に告げた。
「これで式へのお支払いが、百万円ほどすることになりますね」
支配は、震える声で答えた。
「は、はい。このままでは、ご披宴のお料理、及び全ての演をキャンセルせざるを得なくなりますが……」
剛は、たく言い捨てた。
「それは郎婦が考えるべき問題です。々のったことではありません」
代はたく言い放ち、剛と共に今度こそ完全にそのをちった。
その頃、郎婦の控では。
千が、苛ったように呟いた。
「ねえ、優太。まだ始まらないのかしら。もうとっくには過ぎているのに」
その、コンと控えめなノックの音がして、スタッフのが入ってきた。
スタッフは、通の封筒を差しした。
「沢優太様宛てに、配達証の留が届いております」
優太は、いぶかしげに封筒を受け取った。
「留?こんなに誰からだよ」
差の欄には、見慣れない法律事務所の名が記されている。
嫌な予が優太の背筋をった。
震えるで封をけ、の類を読み始めた。
その瞬、優太の顔から血の気が引いていく。
贈与解除通。結婚資百万円の返還請求。
隣から覗き込んでいた千が、切り声をげた。
「なんですって!?百万円を返せってこと?お義母さんたち、弁護士をてたっていうの?」
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優太は、パニックに陥りながら叫んだ。
「そ、そんな。百万円なんて、もうとっくに居の豪華な具も、予約したハワイへの婚旅も、全てあの百万円から支払ってしまっている。今更そんな、用できるはずがない!」
優太がを抱えていたまさにそのだった。
バンッ、と勢いよく控の扉がき、先ほどの支配が鬼の形相でび込んできた。
支配は、りに満ちた声で叫んだ。
「沢優太様、千様。変なことになりました」
優太は、怯えた声で尋ねた。
「え、まだ何かあるんですか?」
支配は、酷な事実を告げた。
「先ほど、ご両親様が事にお預かりしておりましたご祝儀百万円を、全額回収されました」
優太の声が、無様に裏返った。
「に、百万円を回収!?」
千も、信じられないというように叫ぶ。
「どういうこと?そんなの嘘でしょう?」
支配は、を徹な目で見据えながら最終通告を突きつけた。
「これにより、披宴の費用が百万円しております。このままでは、ご披宴は止せざるを得ません」
百万円の返還請求、そして百万円の。わせて百万円。
絶望な額がのに、巨な断台の刃のように無慈に振りろされようとしていた。
支配の非常な宣告は、まるで刑宣告のように息子夫婦のに突き刺さった。
「披宴は止です」
控の華やかな装飾も、テーブルに置かれた祝福のシャンパンも、全てが褪せて見える。
優太はへたり込みそうになるのをかろうじて壁にをついて堪えていた。
千の完璧に化粧が施された顔は、驚愕と絶望で見るもなく歪んでいる。
優太は、震える声で支配に尋ねた。
「ちょ、ちょっと待ってください。なんで父さんたちがそんなことを……理由を伺いましたか?」
支配はえびえとした目でを見据え、言噛み締めるように言った。
「『体育座りで分と言われたからだ』と」
支配は、千を睨みつけた。
「千様、あなたは郎のお母様に対して、本当にそのようなことをおっしゃったのですか?」
その問いに、千の体がビクッと直した。
彼女は、咄嗟に言い訳をしようとをく。
「そ、それは……ちょっとした冗談のつもりで……」
支配の声のトーンが、さらに段くなった。
「冗談?」
支配は、容赦なく現実を突きつける。
「今はそんなことを言っているではないでしょう。百万円、どうするのですか?しかも弁護士を通じて百万円の返還請求まで来ている。わせて百万円。どうやってこの状況を収拾するおつもりですか?」
優太は、完全にパニックに陥った。
「わ、分からない。そんな……どうすれば……」
パニックに陥る優太の隣で、千がハッと顔をげた。
そうだ、まだ最の段が残っている。