"妻の手術翌朝、七通の解約通知" 第15話
それは、という歳をかけてえ切り、化し、決して溶けることのない氷のような憤だった。
「直さん。あなた、健太がサッカーをやめたののこと、覚えている?」
唐突な問いかけに、私は眉をひそめた。
「のだろ。健太が急に勉に専したいと言いして、塾の費用がかかるようになった期だ」
「違うわ」
真由美は即座に、鋭く否定した。
「あのの、健太のチームが関会の予選にむことが決まったの。それまで万円だった部費に加えて、征用のバス代、専属トレーナーの費用、宿泊征費で、万円の追加拠が必だという通が配られたわ」
「万くらい、せばよかっただろうが! 私の収をらないわけじゃないだろ!」
「おだけの問題じゃないのよ!」
真由美の声が、初めてく病の空気を裂いた。
「ジュニアユースはね、親のボランティアで回っているの! 毎週末の征には、型をせる保護者が交代で運転を務めなきゃいけない。練習試の審判、用の型クーラーボックスの配、怪がたの救急搬送の当番……曜も曜も、親が丸拘束されるのよ」
真由美は掛け布団を握りしめた。その指の関節が、く浮きがっている。
「私、あなたに回相談したわ。回とも、カレンダーとチームの当番表をダイニングテーブルのに置いて、あなたにお願いしたの。
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『直さん、に回でいいから、曜にをしてくれない? 健太のために、度だけでも審判講習を受けてくれない?』って」
記憶の暗がりに、さなが差し込む。
曜の夕方。ソファで缶ビールを片にゴルフ継を見ていた私の姿。
テーブルの端に置かれた、プリントの束。
『……私は平の仕事で疲れ切ってるんだ。休は体を休めるためにあるんだよ。子供の習い事の送迎なんて母親の仕事だろ。なんで俺が貴な休に、のガキの世話までしなきゃいけないんだ。そういう面倒な雑務は、おの方で適当に断れよ』
自分のからた言葉が、の奥で鮮に再された。
「あなたは画面から度も目をさずに、そう言ったわ」
真由美の目が、私を刺すように見据えていた。
「の子のはね、お父さんたちが誇らしげにグラウンドにっていたわよ。お揃いのチームポロシャツを着て、息子のプレーに声を枯らして、征を連ねてっていた。グラウンドの片隅で、だけでい氷嚢を抱えて、のお父さんたちに『主が仕事で来られなくて申し訳ありません』ってをげ続けていたのは、私だけだったのよ」
「それは……私の仕事が激務だったからで……」
「健太はね、その姿を見ていたのよ」
真由美の言葉が、私の喉を締めげた。
「あの子、ある曜の征の帰り、私に言ったの。
『お母さん、もういいよ。僕、サッカーやめる』って。『僕がサッカーを続けてると、お母さんがずっとペコペコ謝ってなきゃいけないし、お父さんはで嫌になるから、やめる』ってね!」
臓を鷲掴みにされたような衝撃がった。
「私が退部届をいたんじゃないわ。あの子が泣きながら、私の目のでユニフォームをゴミ袋に入れたのよ! 私が『庭の都』といたのは、あの子のさなプライドを守るためよ! 『父親が度もグラウンドに来てくれないから』なんて、チームの連絡網にけるわけがないでしょう!」
言葉を失った私ので、真由美は容赦なく枚目の類——保険の減額通をに取った。
「次はこの保険よ。私の向で勝に削ったって? 嘘をついたって?」
彼女の唇が、自嘲気に歪んだ。
「、あなたが営業部に昇した、何て言ったか覚えてる? 『これからは付きいが増える。ゴルフの回数も増えるし、部に奢るも必だ。俺の自由になる遣いを万増やせ』って言ったのよ」
「それは、営業部としての必経費だ! 脈作りのための投資だろうが!」
「ええ、そうね。派な投資よ。でもね、直さん。あなたの取りから万円を引いた残りの活費は、円も増えなかったのよ」
真由美の静かな告発が続く。
「健太の学の入学、制代、教材費。
がっていく消費税に、毎の固定資産税の増額。