みかん小説
本棚

"雑炊を疑った息子とノロ陽性の判定" 第29話

様子を見にくついでに持っていくわ。」

彼女は嬉しそうに答えました。

「ありがとうございます。いつも助かります。」

私は勝に相の状況を決めつけません。

美咲さんも慮せずに私を頼ってくれます。

私たちはお互いを尊しうよい距をに入れていました。

そして1。

孫の1歳の誕、がの居にはささやかなお祝いの飾りがつけられていました。

テーブルのには私が腕を振るった料理が並んでいます。

美咲さんが笑顔で孫を抱き、私はその横でお茶を淹れていました。

そして部の隅には、しさくなった背を丸めて座る健太の姿がありました。

彼はこの1の文句つ言わずに暮らしを続け、しずつ美咲さんの信頼を取り戻そうと必に努力していました。

今は美咲さんの許を得て、ようやくこのお祝いの席に参加することができたのです。

「さあ、主役のご飯よ。」

私は孫のにさな器を置きました。

に入っているのは野菜を細かく刻んで柔らかく煮込んだ子ども用の雑炊です。

孫はスプーンを握りしめ、顔をご飯だらけにしながらでそれを頬張りました。

美咲さんがその様子を見て笑いしました。

「この子もおばあちゃんの雑炊が好きですね。」

私が答えます。

「そうかな。しにしすぎたかとったけれど。

広告

」

私が微笑みながら言うと、部の隅に座っていた健太がおずおずとを挙げました。

「あの。」

健太は言いました。

「俺もその雑炊、べていい。」

健太のの抜けた質問に、居の空気が瞬だけ止まりました。

そして。

「あなたは普通のご飯べて。」

美咲さんが容赦なくピシャリと言い放ちました。

健太はしょぼんと肩を落としました。

「はい。」

健太はさく返事をしました。

そのやり取りがおかしくて、私と美咲さんは顔を見わせ、同に声をして笑いいました。

健太もを掻きながら、しだけ照れたように笑っていました。

まだ完全な元通りではありません。

でも私たちは確実にしい族の形を作り始めていました。

夕方、2と孫が帰り、のには再び静寂が戻りました。

私は台所の片付けを終え、居のソファに腰をろしました。

テーブルのに置いていたスマートフォンがく震えます。

画面を見ると美咲さんから1枚の写真が届いていました。

写っているのは、の周りをご飯粒だらけにして空っぽになった器を自げに掲げている孫の笑顔でした。

写真のにはいメッセージが添えられています。

『今も完しました。次もお願いします。』

私はその文を見てさく笑みをこぼしました。

画面のキーボードを打ち、すぐに返信を送ります。

『はいはい。べすぎないようにね。』

スマートフォンをテーブルに置き、私はく息を吐きしました。

胸の奥にじんわりとした温かいものが広がっていきます。

窓のはすでに美しい夕焼けに染まっていました。

台所では、綺麗に洗い流されたさな平鍋が切りかごので静かにを反射して乾いていました。

私の荒れた指先が守り抜いた30の誇りは、これからもこのさな鍋と共に私の切なたちを温め続けていくのでしょう。

広告

おすすめ作品

リンクを共有

以下のリンクをコピーして友達と共有してください: